「酸素欠乏特別教育」アンケート結果―道建協まとめ 建設業へ関心高まる 高校生の9割弱が肯定的回答(関係団体 2018-11-08付)
道内の有力建設企業約六百社で組織する北海道建設業協会(岩田圭剛会長)は、工業高校などを対象に若年者の雇用促進対策として進めている「酸素欠乏特別教育」のアンケート結果をまとめた。調査は、二十九年度に特別教育を行った高校の生徒・教員を対象に実施。高校生に対する調査では、九七・五%の生徒が「授業が参考になった」、授業を通じ建設業に関心をもったかの設問には「少し高まった」を含め八六・三%が関心をもったとそれぞれ回答した。
酸素欠乏特別教育は、授業時数が六時間構成。死亡事故に至る酸素欠乏症の発生原因や危険個所での安全対策を、協会会員企業の労務担当者が学校に出向いて指導している。
テキスト(無料配布)に基づいた座学のほか、空気呼吸器を持ち込んでの体験学習、救急蘇生の講習を展開。習得した知識が自身の身を守る“命の授業”とあって、受講した生徒や教員の評価も高い。
協会が高校生への職業観醸成の一環で始めた特別教育も、ことしで五年目を迎える。
授業終了後には、協会から受講した生徒や教員に修了証のカードがその場で配布される。
調査は、二十九年度に道内の工業高校、農業高校で酸素欠乏特別教育を行った十三校で実施。
同年度の特別教育修了者は、高校生八百二十二人、教員二十人。高校生のアンケート回答は、七百九十六人で九六・八%の回収率となった。
高校生のアンケート結果では、「特別教育の理解度」についての回答が十分理解できた四〇・七%、部分的に理解できた五七・九%。授業を受けての認識では「役に立った」八四・八%、特別教育の活動については「今後も継続してほしい」九四・二%と生徒の評価が高いことが分かった。
授業を受けた生徒からは「酸素欠乏病の危険が伴う仕事でも、この知識があれば大丈夫だと思った」「建設業でなくとも役に立つ講習で有意義だった」「酸素欠乏だけではなく建築・土木の仕事など、普段先生方から聞けない内容で良かった」との感想が寄せられた。
また、建設業に対する生徒の感想は「誇りをもてる仕事と確認し、これからも勉強を頑張りたい」「“建設業やってみた”のDVDが、建設業の職種を初めて知る機会となった。自分の視野が広がった」と肯定的な意見が占めた。
その一方で、就業環境に関し「建設業界は若手が必要と思うが、週休二日にしてほしい」「働き方改革によって五年後に業界がどう変わるのかとても気になる」と関心をもっていることも分かった。
女子生徒からは「今、進路を考えている中学生にも、男性だけの職場でないことを知ってほしい」といった意見や、回答の中には父親の仕事にあこがれて土木科に入った生徒の「働いているお父さん方、頑張って下さい」と励ましのメッセージも見受けられた。
受講した教員のアンケート結果も生徒と同様の内容で、「実際の現場作業で大切な作業管理、リスクマネジメントの洗い出し等の教育が重要と分かった」「教員が事前指導してから受講した方が、より理解が深まると思った」などと回答。建設業に対しては、「特別教育を今後も継続してほしい」「建設業と学校の結び付きを強くすべきと考える」「高校では建設業の業種が多く業界のイメージを伝えきれていない。現場の方から話を聞く機会が重要だ」と、特別教育の継続と連携強化を訴える意見が多数を占めた。
(関係団体 2018-11-08付)
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