運動の楽しさに気づき 第55回研究大会渡島大会―体研連
(関係団体 2018-11-06付)

道学体連研究大会開会式
全道から240人が参集。渡島支部が進めてきた研究成果を発信した

 【函館発】道学校体育研究連盟(=体研連、中野正毅委員長)は十月中旬、七飯町文化センターなどを会場に、第五十五回道学校体育研究大会渡島大会を開いた。道内の各地区から約二百四十人が参加。大会主題「子どもが運動の楽しさに気付き主体的・協働的に運動に親しむ資質・能力の育成~ゲームを中心とした授業づくり」のもと、町内の小・中学校四校で授業を公開したほか、分科会やグループワークなどを通して、積み重ねてきた研究の成果を全道に向けて発信した。

 道学校体育研究連盟は、全道統一研究主題「自信がつく体育学習の充実」のもと、全道各支部での共通性と独自性を生かした研究を展開しており、本年度で五年目を迎えた。

 大会は、道学校体育研究連盟渡島支部が主管。これからの予測困難な社会を生き抜いていく力の育成が求められていることを踏まえ、①子どもが運動の楽しさに気付き、興味・関心をもち運動する力②運動に取り組む中で生じた課題や健康課題を今まで身に付けた知識や技能を生かして、主体的に解決する力③仲間と協働し、運動を取り組む中で生じた課題や健康課題を解決し、運動の楽しさをともに味わう力―の育成を目指すこととした。

 開会式に先立ち、七飯町立七重小学校、大中山小学校、七飯中学校、大中山中学校で公開授業を行った。

 七飯町文化センターで行われた開会式では、中野委員長があいさつ。

 大会が渡島管内で八年振りの開催になることにふれ、「渡島支部が進めてきた研究成果を全道に発信する機会」と強調。新学習指導要領への対応を進めるよう要請した。

 さらに、「七年後には全国大会が北海道で開催される。充実した全国大会に向けて、研究成果を交流してほしい」と述べ、大会の成功に期待した。

 続いてあいさつに立った土橋史人大会実行委員長は渡島支部で進めてきた研究を説明し、「子どもが主体的に学ぶ姿勢を育成する授業づくりにつなげてほしい」と呼びかけた。

 このあと、渡島教育局の宇美敏宏次長と中宮安一七飯町長が祝辞を述べた。

 開会式終了後、連盟の前田潤研究部長が本部基調報告、大会実行委員会の小松孝太朗研究部長が研究発表を行った。

 分科会では、二つの分科会に分かれてグループワークに取り組んだ。

◆主体的に取り組む姿を 七飯町小・中4校で授業公開 大中山中2年バレーボール

 第五十五回道学校体育研究大会渡島大会では、開会式に先立ち七飯町内の小・中学校四校で、ボール運動のゴール型とネット型の授業を公開した。ゴール型は七重小学校(工藤達也校長)と七飯中学校(佐々木理之校長)、ネット型は大中山小学校(岩間唯史校長)と大中山中学校(土橋史人校長)で行われ、子どもがゲームから課題に気付き、その課題を主体的・協働的に解決を図る授業を展開した。

 うち、大中山中二年A組(伊與田篤教諭、生徒数三〇人)では、バレーボールの授業を公開した。

 本時は十時間扱いの七時間目。単元の目標を「ボールの操作や定位置に戻るなどの、ボールを持たないときの動きを身に付け、身に付けた動きや作戦に基づいた仲間と連携した動きによって、フェアプレイでゲームを楽しむことができる」と設定した。

 また、軽量ボールの使用やボールのキャッチを認めるなどのルールを適用し、プレイしやすい環境を整えている。

 本時の目標は「前時のゲームの課題をもとに立てた作戦をチームで協力して実行し、バレーボールを楽しむことができる」と設定。これまでの授業では、六つのグループが作戦や課題を時数ごとに考えることで、ゲームの進め方やチームの課題を主体的に考えるよう促してきた。

 はじめに、前時のゲームの様子を映像で振り返ったあと、伊與田教諭が「作戦を改良しながら試合に取り組み、バレーボールの楽しさを味わおう」とめあてを提示。つぎに、チームごとに作戦を学習カードに記入し、チームの作戦に沿った練習を開始。丁寧にボールをつなぐチームや積極的にクイックを使用した攻撃など、前時までの反省を踏まえた練習に取り組んだ。

 練習後、三チームずつでリーグ戦を開始。ゲーム中には伊與田教諭が「ボールを取ってから早いタイミングで攻撃したらどうか」などのアドバイスを送った。

 ゲームのあと、伊與田教諭は「つぎの時間ではクイックなどを使用して、ブロックに対応する方法を増やせるようにして」と求めた。

最後に、各チームで話し合い、反省点や今後の課題を学習カードに記入し、全体に発表。生徒は「クイックを使った攻撃ができたけれど、作戦に設定したフェイントがうまくいかなかった」などと発言。各チームがつぎのゲームでの課題や作戦の明確化を図った。

(関係団体 2018-11-06付)

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