教育振興基本計画の改定版案―札幌市教委　新規に医療的ケア充実など　“算数にーごー”をレベルアップ

（市町村 2018-11-20付）

　札幌市教委は札幌市教育振興基本計画改定版の案をまとめた。後期の札幌市教育アクションプラン（＝後期プラン）には、新規事業として「市立幼稚園の在り方にかかる検討」や「小中学校等における医療的ケア実施体制の充実」などを盛り込んだ。レベルアップ事業には、「算数にーごープロジェクトの推進」などを提示。今後、市議会第四回定例会の文教委員会に報告し、パブリックコメントなどを経た上で、三十一年二月中に策定する予定だ。

　基本計画は、市立幼・小・中・高・中等教育・特別支援学校の学校教育および幼児から高齢者までの生涯学習全般を対象範囲とした教育に関する施策を総合的に示すもの。二十六年度から十年間を見据えた基本理念を示す市教育ビジョンと、五年間で取り組む教育施策を示す市教育アクションプラン（前期・後期）で構成している。

　市教委では、前期の教育アクションプランの計画期間が本年度で終了となるため、三十一年度から五年間を計画期間とする後期プランを盛り込んだ計画改定版を策定することとした。

　改定版案は全五章で構成。第二章の教育を取り巻く現状では、北海道胆振東部地震の発生による教訓や経験を生かしていく必要性にふれている。第三章の教育ビジョンでは、「（計画策定以降の）様々な状況変化を勘案しても適切なもの」とし、三十一年度以降も堅持することを示した。

　第四章の後期プランにおいては、前期プランの施策展開を基本とし、基本的方向性①自ら学び、ともに生きる力を培う学びの推進②多様な学びを支える環境の充実③市民ぐるみで支え合う仕組みづくり―も引き継いでいる。

　また、三つの方向性に対応した重要項目を設定。「“学ぶ力”の育成」「安心して学ぶための支援」「地域に開かれた園・学校づくり」など九点を掲げた。

　具体的な事業・取組について、新たに「市立幼稚園の在り方にかかる検討」「小中学校等における医療的ケア実施体制の充実」「公立夜間中学の設置にかかる検討」「学校運営協議会制度の導入にかかる検討」を盛り込んだ。

　レベルアップ事業では「算数にーごープロジェクトの推進」「英語専門教師による小学校の英語教育推進体制の充実」「多様な外部人材の活用」など多くの事業・取組を掲げている。

　今後、市議会第四回定例会の文教委員会に報告し、パブリックコメントやキッズコメントを実施した上で、三十一年二月中に策定する予定だ。

(市町村 2018-11-20付)