札幌市の31年度予算要求・教育関連事業 ICT機器等整備に21億要求
(市町村 2018-11-22付)

 札幌市は十九日、三十一年度の予算要求概要を公表した(二十一日付1面既報)。一般会計総額は対前年度比一・五%増の一兆二百六十四億九千九百万円。教育関連事業では、学校の業務についての助言および指導のほか、管理職を対象とした研修などを実施する民間コンサルタントの導入など、人事・服務・給与関係費に一千万円を要求した。また、特別支援教育費として、痰吸引などの医療的ケアを行う看護師を小学校に派遣するモデル事業などの実施に、四千三百万円を積み上げた。また、授業用タブレットPCといったICT機器やデジタル教材の整備など教育の情報化推進費に二十一億六千二百万円を求めている。

 札幌市の三十一年度予算要求概要のうち、教育関連の主な事業はつぎのとおり(金額単位・万円)。

▼教育委員会

▽学校規模適正化推進費=二、一〇〇―小規模化が進む学校の規模適正化の検討三地域(一地域増)

▽教育の情報化推進費=二一六、二〇〇―授業用タブレットPCなどのICT機器やデジタル教材の整備、学校用ネットワークの増強など

▽地域ぐるみの学校安全体制整備推進費=一、二〇〇―スクールガードリーダーによる学校の巡回指導など

▽読書チャレンジ・図書資源ネットワーク事業費=一五〇―各小・中学校への市立図書館蔵書貸出しなど

▽学校給食費=一二〇―学校給食の調理くずや残食の堆肥化およびその堆肥で育てた野菜の学校給食への提供ならびに教材園などでの栽培活動を通じた食育・環境教育の充実

▽家庭教育推進費=九四〇―家庭教育学級の開設、講演会などの実施

▽野外教育費=七四〇―林間学校などの実施

▽地域活動推進費=八、八〇〇―学校図書館地域開放事業一二一校(二校増)、サッポロサタデースクール四五校(一〇校増)、知的障がい者のための教室事業二団体

▽青少年科学館活用推進費=一〇〇―展示物および施設設備の整備内容の検討、理科授業プログラムの活用推進

▽学校新築費=六五、九〇〇―芸術の森地区新設小三階六、二七九平方㍍(普通一四教室、特別一二教室、特別支援二教室)、屋内運動場一、三五八平方㍍、屋外プール。石山緑小グラウンド造成など

▽学校増築費=五〇、七〇〇―札苗緑小三階一、三一五平方㍍(普通六教室、特別三教室)、西宮の沢小三階四五二平方㍍(特別三教室)、新発寒小・星置東小の実施設計など

▽学校改築費=一、〇一八、五〇〇―中央小五階八、九二七平方㍍(普通二四教室、特別一〇教室、特別支援二教室)。東白石小三階六、二五七平方㍍(普通九教室、特別一一教室、特別支援二教室)。羊丘小三階六、一四七平方㍍(普通一三教室、特別一〇教室、特別支援二教室)。発寒西小四階八、三三一平方㍍(普通二五教室、特別一一教室、特別支援二教室)。新陽小四階六、五一〇平方㍍(普通一四教室、特別一四教室、特別支援三教室)、屋内運動場一、三一六平方㍍。栄中三階七、六七二平方㍍(普通一六教室、特別二〇教室、特別支援二教室)。発寒南小解体など。栄西小・澄川小のグラウンド造成など。本町小実施設計など。二十四軒小プールの在り方検討

▽学校基本設計費=八、六〇〇―元町北小、東山小、山の手小

▽武道場整備費=五七、五〇〇―新陵中・北野台中・常盤中の新築工事など、青葉中の実施設計など

▽学校給食施設整備費=三六、九〇〇―給食棟増築など

▽特別支援学級整備費=一二、七〇〇―小学校一六校(うち初度調弁のみ一三校)、中学校一〇校(うち初度調弁のみ6校)、ひばりが丘小通級指導教室移転改修

▽施設改修等整備費=五六九、八〇〇―施設改修(小学校延べ一〇五校、中学校延べ六四校、高校延べ六校)、トイレ全面改修二校、トイレ洋式化改修一三校、非構造部材耐震性点検

▽リニューアル改修費=四二九、三〇〇―小学校(基本設計四校、実施設計三校、工事五校)、中学校(基本設計一校、実施設計二校、工事六校)

▽学校規模適正化関係改修等整備費=六九、七〇〇―ノホロの丘小、上野幌・青葉地域北側地区新設小

▽義務教育児童生徒遠距離通学助成費=五、一〇〇―遠距離通学を行う児童生徒へ通学定期代の助成

▽高校等生徒通学交通費助成費=七、九〇〇―市内に居住し石狩管内の高校などに通う生徒の通学交通費助成の実施

▽人事・服務・給与関係費=一、〇〇〇―学校の業務改善や教員の負担軽減を図るため、業務についての助言および指導や、管理職を対象とした研修などを実施する民間コンサルタントの導入

▽初任者研修関係費=五、二〇〇―初任者研修によって授業を行えない教職員の代替要員および校内で初任者研修を行う非常勤講師の配置

▽高校改革費=一、九八〇―進路探究学習の推進、市立高校合同説明会の実施、高校と企業等の連携を推進する市立高校コンシェルジュの配置、大通高の外部人材活用、スーパーサイエンスハイスクールなど

▽教育課程等推進費=三、七〇〇―教育課程の適切な推進に資する学校支援体制の充実など

▽外国語指導助手関係費=五一、一〇〇―一二〇人(増員六人)

▽不登校対策費=八、九〇〇―市内六ヵ所の適応指導教室において、学校復帰に向けた児童生徒への支援

▽算数にーごープロジェクト事業費=二九、六〇〇―全市立小学校の五・六年生における二五人程度の算数少人数指導の実施および札幌市独自カリキュラムの整備

▽特別支援教育費=四、三〇〇―特別な教育的支援を必要とする児童生徒の教育の推進、小学校への看護師派遣のモデル実施

▽学びのサポーター活用費=一八、三〇〇―特別な教育的支援が必要な子どもに学校生活上の支援を行うための学びのサポーター等の配置

▽スクールカウンセラー活用費=二二、九〇〇―いじめや不登校などの課題に対応する臨床心理の専門的知識を有するスクールカウンセラーの配置拡充

▽スクールソーシャルワーカー活用費=二、五〇〇―関係機関と連携して子どもや家庭の支援体制を整備するためのスクールソーシャルワーカーの配置

▽運動部活動外部人材活用費=二、四〇〇―顧問の確保が困難であり、運動部の継続または新設が難しい中学校に対する部の運営と技術指導を行う外部顧問、特別外部指導者の派遣

▽札幌らしい特色ある学校教育費=一、七〇〇―自立した札幌人の育成を目指すための、雪・環境・読書の三つのテーマに沿った事業や学校の夢づくり支援事業の実施

▽相談支援パートナー事業費=九、三〇〇―不登校の子どもや家庭に対するきめ細やかな支援を行う相談支援パートナー、担当区の小学校の不登校支援についての指導助言などを行う相談支援リーダーの配置

▽進路探究オリエンテーリング事業費=一、〇〇〇―専修学校・各種学校と連携した夏休み期間などにおける中学生対象の職業体験講座の拡充

▽観察・実験アシスタント事業費=一、二〇〇―小学校の理科の学習における観察・実験活動の充実を目的とした外部人材の活用

▽いじめ対策自殺予防費=一、三〇〇―教職員への研修、関係機関との連携協力会議の開催、相談体制の構築など、いじめの対策や自殺予防にかかる取組の実施

▽課題探究的な学習モデル研究費=五、一〇〇=中等教育学校におけるIBカリキュラムや情報通信機器を活用した課題探究的な学習モデルの研究

▽学校図書館活用促進費=五、七〇〇―学校図書館の活用を促進し、児童生徒の読書活動の充実を図るための、図書館の環境整備等を担うボランティアの派遣や学校図書館司書の配置拡充

▽教育センター運営管理費=四、八〇〇―発達に心配のある子どもの保護者からの相談に対し、より身近な地域で迅速かつ丁寧に対応できるよう、教育センター外における地域相談の実施

▽幼児教育センター関係費=五、一〇〇―幼児教育の水準向上を図るための各種事業や、市立幼稚園九園における預かり保育の実施

▽奨学金支給費=一〇、二〇〇―奨学金支給者数一、三〇〇人

▼中央図書館

▽中央図書館運営管理費=九、六〇〇―図書館システムおよび機器の更新、ネットワーク回線の強化

▽図書・情報館運営管理費=一四、八〇〇―図書購入七、三〇〇冊

▽読書チャレンジ・子どもの読書活動推進事業費=六六〇―図書館デビュー事業、進路探究オリエンテーション事業などの実施

▽読書チャレンジ・図書資源ネットワーク事業費=一六〇―各小・中学校への市立図書館蔵書貸出しなど

▼危機管理対策室

▽避難場所環境整備費=三、二〇〇―応急救援備蓄物資の更新など

▽避難場所運営研修費=三二〇―避難場所の開設および運営時における対応能力の向上を図るための研修の実施

▼市民文化局

▽小学校併設地域交流施設整備費=三六、五〇〇―小学校改築に合わせた地域交流施設併設の取組拡大

▽アイヌ伝統文化振興費=二、六〇〇―交流センターイベントの開催、小中高生団体体験プログラム、アイヌ民族の伝統的生活にかかる講座の実施など

▽子どもの文化芸術体験事業費=三、六〇〇―子どもたちが美術・オーケストラ・ミュージカルなど本格的な文化芸術にふれる機会の提供

▽博物館活動センター事業費=八七〇―博物館活動センターを拠点とした博物館活動諸事業の展開およびクジラ化石クリーニング業務実施

▽仮称・札幌博物館整備推進費=一、三〇〇―仮称・札幌博物館にかかる整備や管理運営などの諸計画策定に向けた調査・検討の実施

▽文化芸術施設リフレッシュ事業費=三、一〇〇―札幌芸術の森などの施設改修など

▼スポーツ局

▽スポーツ普及振興費=三、〇〇〇―市立小・中学校などのスキー学習へのインストラクターや地域スポーツ指導者派遣のほか、カーリングや歩くスキーの普及事業など

▽アスリート活用事業費=一、二〇〇―市立中学校運動部活動へのアスリート派遣とオリンピック選手などを活用したスポーツ体験会などの実施

▽プロスポネットSAPPORO連携費=一五〇―プロスポーツチームと連携した観るスポーツの推進

▽さっぽろっ子ウインタースポーツ料金助成費=七〇〇―小学三年生を対象としたリフト料金および全小学生を対象としたスケート場を利用する際の貸靴料金に対する助成

▽ウインタースポーツ塾事業費=一、七〇〇―小学生を対象としたウインタースポーツ教室および各種競技経験者を対象とした講習会の開催、市内で開催されるイベントなどでのウインタースポーツ体験機会の創出

▽札幌市スポーツ施設配置・活用計画策定費=三三〇―札幌市が所管するスポーツ施設の配置、活用にかかる計画策定

▽オリンピックミュージアム活用推進費=八〇〇―札幌オリンピックミュージアムの企画展示など

▼保健福祉局

▽生活困窮者自立支援費=二六、二三二―生活困窮世帯への就労その他の問題に関する相談支援、住居確保給付金の支給、一時生活支援、中学生の学習支援などの実施

▽共生社会環境づくり事業費=八八〇―障がいのある人に対する合理的配慮を推進するための環境整備

▽自殺総合対策推進費=一、八〇〇―電話などによる相談支援体制の整備、人材養成および普及啓発などによる自殺総合対策

▽児童虐待予防対策費=三二〇―児童虐待の発生予防および育児不安の軽減を目的とした保健と医療などの連携による育児支援など

▽思春期保健対策費=一六〇―生命誕生などに関する健康教育(対象小・中・高校生)ならびに人工妊娠中絶率および性感染症り患率低下のための相談・啓発活動の実施

▽食育推進費=六七〇―食育ボランティアの養成・支援、栄養成分表示の推進、食育推進事業など

▼子ども未来局

▽子どもの学びの環境づくり補助金=一、八〇〇―不登校児童生徒の受け皿となっているフリースクールなど民間施設に対する支援

▽子どもの体験活動の場支援費=三、四〇〇―旧真駒内緑小学校の跡施設における子どもが主体的に体験活動を行う場の提供

▽子どもの貧困対策推進費=二、九〇〇―困難を抱える子どもや家庭を早期に把

握し、必要な支援につなげる子どもコーディネーターの増員および支援対象地区の拡大

▽少年国際交流費=六六〇―シンガポール少年交流事業・派遣一四人、姉妹都市少年交流事業・派遣一〇人

▽放課後子ども教室等事業費=一、四〇〇―四ヵ所

▽児童会館整備費=七四、四〇〇―児童会館の工事六ヵ所、実施設計六ヵ所

▽ミニ児童会館整備費=二、八〇〇―面積拡充一ヵ所

▽私立学校教材教具等整備補助金=九、一四〇―小学校一校、中学校七校、高校一九校

▽若者の社会的自立促進費=五一〇―教育格差解消のための高校中退者などを対象とした学習相談および学習支援

▽私立保育所等補助金=三一二、二〇〇―国の定める基準を上回る保育士などを配置する保育施設に対する補助など

▽私立幼稚園等補助金=六五、三〇〇―特別な教育的支援を要する幼児の保育にかかわる教員の人件費や、教材教具・管理用備品の購入費などの補助

▽子ども安心ネットワーク強化事業費=八、二一〇―児童虐待通告や養護相談の増大に対応する相談体制の強化および適切な役割分担の推進

▽児童相談体制強化事業費=一、五〇七―法的対応や相談関係職員研修の強化、児童相談体制強化および社会的養育推進に向けた計画策定など

▼経済観光局

▽ものづくり人材育成支援費=一、六〇〇―ものづくり人材育成に関する補助や若年者に対するものづくり産業の魅力発信

▽国際ビジネス人材育成費=五五〇―国際ビジネス人材の育成・活用のための、日本人学生の留学支援および外国人留学生の就職支援

▼環境局

▽総合的環境教育推進費=一、九〇〇―環境教育基本方針に基づく事業

▽生物多様性推進費=一、七〇〇―生物多様性さっぽろビジョンに関する各種取組の推進など

▽動物園教育普及促進費=三〇〇―動物と環境に対する理解を促進するための普及啓発

▼建設局

▽冬みち地域連携事業費=六、八五〇―子どもたちへ除雪に対する意識を浸透させるための雪体験授業を全校に拡大するとともに、市民(地域)・企業・行政が連携し、地域除雪力を高めるため、除雪ボランティアコーディネートや除雪機械購入補助制度の強化を実施

▽建設業人材確保・育成支援費=三、二七五―建設業の将来の担い手として期待される女性や若者のほか、喫緊の課題である除雪従事者にも着目した人材確保・育成支援などを実施するとともに、建設業の担い手確保にかかるプランの策定

▼消防局

▽ジュニアバイスタンダー育成費=二六〇―小中学生を対象にした救命指導に必要な資器材の購入および救命講習テキストの製作

(市町村 2018-11-22付)

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