環境教育・環境学習基本方針案―札幌市環境局　取組推進の方向性示す　外部人材活用体制充実など

（市町村 2018-11-22付）

　札幌市環境局は、環境教育・環境学習基本方針案をまとめた。市における環境教育などの考え方を明らかにするとともに、取組の推進に向けた方向性を示すもの。基本理念に「みらいを想い、みんなを思い、真剣に考え行動できる環境市民を育てる」を掲げ、学校と環境教育に関する外部の専門家とのコーディネート機能の充実などを盛り込んだ。来年三月に方針を策定する予定。

　市では、環境に配慮した行動が社会全体に定着し、次世代に継承されていくことをねらって環境教育・学習基本方針を平成八年に策定。十九年には、環境教育基本方針として改題・改定した。

　ことし三月、第二次札幌市環境基本計画が策定されたことや、学習指導要領が改訂されたことなどから、同方針の改定を進めてきた。

　案は、より主体的に学ぶ意味合いの強い“学習”を併せて使用し、環境教育・環境学習と表現することとした。全五章と資料編で構成している。

　基本理念に「みらいを想い、みんなを思い、真剣に考え行動できる環境市民を育てる」を掲げ、目指す将来像に「市民が“持続可能な都市とは何か”について理解している」など三点を提示した。

　環境教育・環境学習を行う際に重視すべき点については「自然からの恩恵や命を大切にする感性をもつ」「生涯にわたって継続して学習する」などと明記。対象分野を「健康で安全な生活環境の確保」「低炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の四点とした。

　市が主体となって推進する取組として、①学校などの教育機関等で行われる環境教育の推進②環境人材の育成③環境教育・環境学習の場と機会の充実④普及啓発のための情報の発信・広報―を提示した。

　①では、就学前の子どもへの環境教育に関する情報提供などを盛り込んだ。

　②では、学校外の環境教育・環境学習の専門家といった“環境人材”を育成するほか、外部の専門家と学校・地域とをつなぐコーディネート機能を充実させることなどを掲げている。

　今後、パブリックコメントを経て、三十一年三月中に方針を策定する見通しだ。

(市町村 2018-11-22付)