安全教育モデル構築事業 災害から身を守る方法は 実践委が南富良野小で防災授業(学校 2018-11-21付)
境教授が専門的な知見で解説した
【旭川発】南富良野町実践的安全教育モデル構築事業実践委員会は十一月上旬、事業拠点校の南富良野小学校(金光保校長)で防災授業を行った。五・六年の学級活動「タイムラインって何?」を公開。児童は、災害発生時に避難する際のタイムラインづくりを通して、自らの命を守ることができるよう、安全に行動する方法を考えた。
南富良野町は本年度、道実践的安全教育モデル構築事業のモデル地域に指定された。
この事業は、文部科学省の委託で道教委が行うもの。市町村教委と連携し、防犯を含む生活上の安全教育、交通安全教育、防災教育などについての指導方法や教育手法の開発・普及を図る。
町では、小中高の教員などで組織する実践委員会を設置。南富良野小を拠点校に、「災害安全」の取組を重点的に進めている。町教委を中心とし、域内の学校で学校安全の組織的取組、外部専門家の活用、学校間の連携を促進しながら、地域全体で道実践的安全教育モデルを構築・普及させるよう、地域のすべての学校で防災授業を三時間実施する取組を進めてきた。
この日、南富良野小では全学年で三回目の授業を行った。うち、五・六年(児童数五年一一人、六年一五人)の授業を公開。アドバイザーの道教育大学釧路校・境智洋教授、町内小・中学校、高校の教諭、町防災マスターの職員などが来校した。
公開したのは、新井貴史教諭指導の学級活動「タイムラインって何?」。台風発生から川の水が氾濫することを想定して、安全に行動を起こす方法を考えさせた。
児童は五~六人でグループを編成して活動に臨んだ。
安全に避難するために自分の行動を考えさせる小・中学生向けのマイ・タイムライン教材『逃げキッド』(国土交通省発行)のほか、参考として配布された町のハザードマップを活用。グループで話し合い、避難経路や避難場所、危険個所などを確認して、避難する際のタイムラインを完成させた。
そのあと、各グループの話し合いの結果を代表児童が発表。「台風が来る前に、情報を知ることが大事」「事前に防災グッズを備えておく必要がある」などの意見を挙げた。
続いて、境教授が児童たちにハザードマップの情報をもとにしたタイムラインづくりについて専門的な知見から解説。丸く削れた石を提示して、「これはどうしてこのような形になったと思う?」と発問。台風の影響で、風や雨が強くなり、上流から何回も回転して角が削れて丸くなっていく経緯を紹介した。
また、学校付近に流れる空知川と幾寅川にもふれ、災害時に上流から勢いよく木が流れてくる危険性や、橋が崩れる可能性も考えられると説明し、「ハザードマップの情報だけを頼ってはいけない」と注意喚起した。
その上で、「皆さんにとって必要な力は“想像力”」と強調。「学んだことや経験したことを通して、自分たちの生活を守れるよう、本物のタイムラインをつくって」と呼びかけた。
金光校長は「子どもたちは二年前に水害を実際に体験しているからか、防災対策の知識や、それに向けた意識がさらに高まっているようにみえた」と振り返った。
道教委学校教育局参事(生徒指導・学校安全)の松浦賢一主査は「児童たちが具体的なイメージを頭の中で起こしながら、話し合いを進めている様子がみられた」と評価し、「児童にとって“生きる力”の育成につながり、自分の命を守る方法をみつけてくれたら」と期待した。
(学校 2018-11-21付)
その他の記事( 学校)
高校生建築デザインコンクール 最優秀賞など7作品受賞 苫小牧工業高生14人を表彰
【室蘭発】苫小牧工業高校(髙橋豪校長)で十五日、本年度高校生建築デザインコンクール表彰式が執り行われた。道建設部の椿谷敏雄建築局長が同校を訪問。最優秀作品賞に輝いた鈴木達也君ら三人を含む七...(2018-11-22) 全て読む
水稲専攻班の米がJGAP認証取得―大野農業高 道内農業高で初の快挙 東京オリパラへの提供可能に
【函館発】大野農業高校(鎌田一宏校長)農業科水稲専攻班の生徒が生産した米が、道内の農業高校として初めてJGAP認証を取得した。今回の認証によって二年後の東京オリンピック・パラリンピック競技...(2018-11-22) 全て読む
101年の歴史振り返る 函館市千代ヶ岱小が閉校式
【函館発】函館市立千代ヶ岱小学校(大場雅樹校長)の閉校式典が十七日、同校で執り行われた。全校児童と保護者など、合わせて三百人以上が出席。開校から百一年の歴史を会場全体で振り返りながら、学び...(2018-11-22) 全て読む
標津町川北中インターンシップ 将来への考え深める 建設会社等で仕事体験
【根室発】標津町立川北中学校(岩﨑摂也校長)は十五日から二日間、職業体験学習(インターンシップ)を行った。二年生十八人が建設会社や飲食店、旅館、郵便局などを訪問。うち、地元川北地区の建設業...(2018-11-22) 全て読む
グラウンド整備に謝意 札幌市立羊丘中 タカハタ建設に感謝状贈呈
札幌市立羊丘中学校(富川浩校長)は十二日、同校でタカハタ建設(株)に対して感謝状を贈呈した。同校グラウンドの排水溝などにたまった土砂を取り除いたことに対するもの。富川校長は同社の活動に対し...(2018-11-21) 全て読む
建設業の一端に触れる 共和町西陵小が建設現場体験 柏村・茅沼建設工業と連携
【倶知安発】共和町立西陵小学校(氏家裕子校長)は十五日、泊村の建設業者・茅沼建設工業㈱と連携して四年生を対象とした体験学習を行った。児童たちはレンガを使ってアーチ橋をつくったほか、建設機械...(2018-11-21) 全て読む
道徳教育推進校の北見市北中 読み物資料で応用効かせ 公開研開き特設2授業
【網走発】道道徳教育推進校の北見市立北中学校(高橋正美校長)は九日、同校で公開研究会を開いた。研究主題「自己をみつめ、よりよく生きようとする力をはぐくむ道徳教育~道徳的自覚を深める道徳の時...(2018-11-20) 全て読む
帯広市稲田小90周年記念式典 “稲田魂”で豊かな未来を 700人が出席し節目祝う
【帯広発】帯広市立稲田小学校(伊賀真美校長)の開校九十周年記念式典が十一日、同校で執り行われた。全校児童五百四十三人、保護者や歴代校長、PTA関係者など百五十人が出席。同校の歩みを振り返り...(2018-11-19) 全て読む
91年の歴史振り返る 函館市高盛小で閉校式
【函館発】函館市立高盛小学校(松村淳校長)の閉校式が十日、同校体育館で行われた。全校児童のほか、保護者や地域住民など、約三百人が出席。来年度に統合を控えた同校の歴史を振り返った。式辞に立っ...(2018-11-16) 全て読む
私立中高教育振興功労者表彰 本道受賞者の功績概要
私立中学校高校教育振興功労者表彰(六日付1面既報)の本道受賞者の功績概要はつぎのとおり。=敬称略= ▼森本正夫(北海学園理事長、北海商科大学学長) 昭和三十二年以来、北海学園大学・大...(2018-11-16) 全て読む