道徳教育推進校の北見市北中 読み物資料で応用効かせ 公開研開き特設2授業(学校 2018-11-20付)
杉原千畝の行動を既習の内容項目から考えさせた
【網走発】道道徳教育推進校の北見市立北中学校(高橋正美校長)は九日、同校で公開研究会を開いた。研究主題「自己をみつめ、よりよく生きようとする力をはぐくむ道徳教育~道徳的自覚を深める道徳の時間を通して」のもと、道徳の特設授業二授業を公開。「特別の教科 道徳」の実施に向けた四年間の研究の成果を紹介した。
三十一年度に中学校で「特別の教科 道徳」が実施されることを踏まえ、同校では二十七年度から四ヵ年計画で研究を進めている。本年度は四年間の総括として、教科化に向けた問題点を確認・修正する期間としている。
授業は読み物資料を活用。①課題提示の徹底②「個人」から「集団」へ③まとめの徹底―の基本的スタイルで進めることで、様々な資料で応用を効かせた授業を展開できるとしている。
評価に関しては、ワークシートに自己評価欄を設け、生徒は授業の終末に数値と記述による自己評価を行っており、最後には年間三十五時間の内容を通しての自己評価も行う。その中から生徒自身が影響を受けた授業の数値や記述をもとに、評価につなげる。
公開した授業のうち、一年A組「国際理解、国際貢献」(高口正紀教諭、生徒数三六人)では、ねらいを「世界の中の日本人としての自覚をもち、他国を尊重し、国際的視野に立って世界の平和と人類の発展に寄与する」と設定した。
資料は、「六千人の命のビザ」を活用。第二次世界大戦中、国外逃亡を目指すユダヤ人に日本への通過ビザを発行した杉原千畝の行動を取り上げた。
高口教諭は導入で、北見市内の飲食店四店を提示。「外国人をおもてなしするにはどの店がいいか」と問いかけ、本時の内容項目「国際理解、国際貢献」について考えさせた。
杉原の略歴や当時のリトアニアの情勢を説明した上で資料を範読。そのあと、「杉原さんの行為をどう思うか」と発問し、賛成か反対かを考えさせた。「何千人もの命を助けたから」「ドイツとの関係が崩れてしまう」など、それぞれの立場からの意見を踏まえ、ビザを発行した場合としなかった場合のメリットとデメリットを整理した。
ビザを発行した場合の「家族が苦しむことになる」という意見から、「杉原さんの家族は、どのような気持ちがあったのだろう」について個人で考えさせた。
全体交流では、生徒の考えを「賛成」「不安はあるけど賛成」「反対」のいずれかに分類させ、杉原の結論との違いなど多面的思考を引き出した。
それを踏まえ、「杉原さんには、どのような気持ちがあったのだろうか」と発問し、「礼儀」「社会参画、公共の精神」など既習の内容項目から当てはまるものをグループごとに協議。資料から読み取ることができる多様な価値を、多角的に考えさせた。
終末では、導入の質問を再度、おもてなしの対象をインドネシア人に変えて行った。
生徒の「豚肉が食べられないから、野菜が食べられるところがいい」という意見を取り上げ、イスラム教徒が多いインドネシアの特徴を紹介。「それが分かっているかいないかで、解答が変わってくる」と国際理解の重要性を説いた。
(学校 2018-11-20付)
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