基本に返り学び直しを　第５０回道教育評価研究大会開く―道評研　開会あいさつで小松田会長

（関係団体 2018-11-22付）

５３人が分科会などを通して研鑚した

　道教育評価研究会（＝道評研、小松田靖会長）は十六日、札幌市教育文化会館で第五十回道教育評価研究大会を開いた。五十三人が参加。研究主題「生きてはたらく力を育てる評価のあり方」、テーマ「新学習指導要領にどう向き合い評価していくのか～資質・能力とは、パフォーマンス評価の有効性とは」のもと、基本提言、分科会、講演などを通して研鑚を積んだ。

　開会式では、小松田会長があいさつ。「新しい学習指導要領に向けて関心が高まっている時期だからこそ、あらためて基本に立ち返り、学び直す必要がある」と研究会の意義を強調した。

　続いて、宮武基理研究部長が基本提言。「かねてから子ども一人ひとりの様子に合わせて、どのように評価するかを大事にしてきた」と方向性を示した。

　また「集団に準拠した相対的な評価から、目標に準拠した評価に変わってきている」など、評価をめぐる最近の動向についても指摘した。

　つぎに、小学校と中学校に分かれて分科会協議。

　小学校分科会では、札幌市立稲穂小学校の森和穂教諭が「新学習指導要領を意識した指導・評価の流れを考える」をテーマに実践発表。新学習指導要領で評価の観点が変わることを踏まえ、子どもが主体的に学習に取り組める「パフォーマンス課題」の有効性を提唱した。

　また、評価基準を予想して具体的に表したルーブリックや、子どもの変容をとらえるポートフォリオの活用を通して評価を行うことで、意欲を持続させ課題解決に導く実践を紹介した。

　中学校分科会では、道評研研究部長で札幌市立向陵中学校の宮武教諭が「特別の教科　道徳の評価について　試行的実践」をテーマに発表。八月の道徳教育指導者養成研修で行われた講義の内容を取り上げ、道徳の実際の評価方法について紹介した。

　全体講演会では、午前に応用教育研究所の宮島邦夫副所長が「教育・心理検査概説～実例から学ぶ基礎・基本」、午後から和歌山大学教育学部の二宮衆一准教授が「資質・能力を育んでいくために、どのように評価をいかすか～“学習のための評価”と“学習としての評価”の観点から」と題して、それぞれ説明した。

(関係団体 2018-11-22付)