檜山へき地複式教育研究大会開く　未来に生きる力を育み　せたな町若松小が授業公開

（関係団体 2018-11-22付）

　【江差発】檜山へき地・複式教育研究連盟（本谷弘之委員長）とせたな町へき地・複式教育研究会（尾﨑修平委員長）は十月下旬、せたな町立若松小学校で第六十八回檜山へき地複式教育研究大会・せたな町へき地複式教育研究大会を開いた。管内の教職員四十人が参加。算数の公開授業や研究協議を通して、複式学級における授業改善や指導力向上を目指した。

　大会主題は「主体的・創造的に学び、豊かな心でたくましくふるさとを切り拓く子どもの育成～へき地・複式教育の特性を生かし、児童生徒一人一人に未来に“生きる力”をはぐくむ学校・学級経営と学習指導の充実をめざして」。会場校・若松小の研究主題は「主体的に学び、主体的に行動する子どもの育成～算数科における学び方指導の工夫を通して」。

　はじめに、三・四年生と五・六年生の算数の授業を公開。このうち、五・六年（五年生二人、六年生三人）では、友善千可子教諭が五年生の単元「単位量あたりの大きさ」、六年生の単元「比例と反比例」を指導した。

　本時では、五年生が「面積・匹数が異なる場合の混み具合の比べ方を理解し、比べることができる」、六年生は「速さを一定と考えた場合、道のりは時間に比例することを使って、問題を解決することができる」を目標に設定。

　導入では、五年生は前時の復習を「まとめノート」で振り返るとともに、「計算ノート」を用いて練習問題を解き、相互に答え合わせ。その間、六年生は直接指導によって、前時の振り返りを通して、本時の課題を確認したあと、教科書に示された表を活用して計算の方法を考えた。

　その後、友善教諭が五年生に対し、本時の課題「混みぐあいの比べ方を考えよう」を提示し、面積とうさぎの匹数を求めるよう促した。

　このあと、友善教諭が両学年の指導に当たり計算方法を発表。六年生には「比例を利用することで、実際に計ったり測ったりしなくても、およその長さや重さが分かる」、五年生には「面積と匹数を使って混み具合を比べることができる」とまとめた。

　公開授業終了後の開会式では、主催者を代表して本谷委員長があいさつ。「本日の研修の成果を自校に持ち帰って役立ててほしい」と呼びかけたほか、二年後に檜山管内で開催予定の全道大会にもつなげていくよう期待した。

　全体会に移り、①学習の「見通し」を与えるためには、どのようなことを考えて実践を行っているか。また、「振り返り」をどのように考えて、どのような内容で行っているか②学習のパターンが身に付けられれば「自主的な学び」につながるという実感はあるが、「主体的な学び」へは、どのようにつなげていけばよいのか―の二つを柱に意見を交流。参加者からは「間接指導の時間に児童同士が考えを交流すると学びを深めることができるのではないか」といった改善策のほか、「ノートの活用やＩＣＴの活用が良かった」と評価する意見が挙がった。

(関係団体 2018-11-22付)