道教委指定・厚沢部小が公開研　校風づくりなどに重点　渡島・檜山管内から６０人来校

（学校 2018-12-06付）

　【江差発】本年度、道教委の学校力向上に関する総合実践事業の指定を受けた厚沢部町立厚沢部小学校（小助川浩校長）は十一月上旬、同校で公開研究会を開いた。渡島・檜山管内の教職員など約六十人が参加。研究主題「学力向上のための授業力向上と校風づくり～主体的・対話的で深い学びの実現とスタンダードの定着について」のもと、公開授業と研究協議を通して研究の成果を発信した。

　本年度は研究主題を「学力向上のための授業力向上と校風づくり～主体的・対話的で深い学びの実現とスタンダードの定着について」と設定。現在の時代背景と新学習指導要領、同校の重点教育目標を踏まえ、①学力向上に向けての授業改善②校風づくり―の二点に重点を置いて研究を進めている。

◆３授業を公開　４年１組は国語

　四年生の国語と五年生の習熟度別による算数、四年特別支援学級の授業が公開された。

　このうち、四年一組（児童数一三人）の国語では、単元「本をしょうかいしよう」を桜庭恵教諭が指導した。

　本時は、十四時間扱いの七時間目。

　目標は「ごんぎつねを読み、物語のよさを伝える場面とその理由から副題をつけることができる」と設定した。

　はじめに前時を振り返ったあと、桜庭教諭が本時の課題「これまでの学習を振り返り、ごんぎつねのよさを伝える副題をつけよう」を提示。物語のあらすじが記された五枚のカードを黒板に貼り、音読しながら登場人物と流れを確認した。

　音読のあと、児童が「心に残っている場面」をワークシートに記入。桜庭教諭は「ごんの情景や兵十の気持ちを考えてほしい」と呼びかけた。

　記入したあと、四グループごとに意見を交流。「いいことをしたのに、撃たれたごんはとてもかわいそう」「ごんが栗を置いていったのは、やさしい気持ちがあったからだと思う」などの意見が挙がった。

　交流を踏まえ、桜庭教諭は「この物語に自分で考えた副題を付けてみよう」と提案。児童は教諭が作成した「～の、な、ごん」「ごん～だね」などのヒントカードをもとに個人思考したあと、再度グループで意見交流した。

　「最後に気持ちが一つになる物語」「いろいろな気持ちになるごん」などの副題をグループ内で発表したあと、授業を終えての感想をワークシートに記入。「同じ場面のことでも、考えていることが全く違うことが分かった」「ごんの気持ちについて考えている人や書いている人が多かった」と本時の交流を振り返った。

　公開授業終了後、実践発表と研究協議が行われた。

(学校 2018-12-06付)