「さわってみよう!プログラミング」―釧路市教委 必修化に向け理解深め 小学校の50人参加し研修講座
(市町村 2018-12-18付)

 【釧路発】釧路市教委は十一月下旬、市立昭和小学校(鈴木美恵校長)で研修講座「さわってみよう!プログラミング」を開いた。市内の小学校教員五十人が受講。授業公開やプログラミング体験を通して、プログラミング教育について理解を深めた。

 三十二年度から小学校で必修化されるプログラミング教育を円滑に進めるため、小学校高学年におけるプログラミング的思考を育む授業の公開や協議、プログラミング体験研修を通して、求められているプログラミング教育への理解を深めることが目的。釧路教育研究センター教育工学研究専門委員会が中心となって開いた。

 専門委員で昭和小の佐藤司教諭が六年理科「電気の利用」の授業を公開した。

 十三時間扱いの十一時間目で、目標を「電気の働きを制御するプログラミングの体験を通して、身の回りには、電気の働きを目的に合わせて制御したり、効率よく利用したりしているものがあることをとらえる」と設定。プログラミング教材「Scratch(スクラッチ)」、LED教材「アルディーノ」を使用した。

 佐藤教諭は、回路につながったLEDを見せ「電気の使い方に無駄がないか」と問い、本時の課題を「電気を有効に使うには、どうしたら良いのだろうか」と設定。PCの操作方法を確認しグループで課題解決を促した。

 児童はスクラッチを使って、点灯時間の調整や明るさセンサーによる照度の調整など電気を有効に使う方法を実験。必要に応じてほかのグループと交流しながら、より良いプログラムにしていった。

 全体交流では「キャラクターの猫が部屋に入ると点灯する」「センサーに反応すると点灯する」「時間を決めて消灯する」など様々な方法が出され、学校のトイレや外灯など日常生活でも活用されていることに気付いた。

 最後に、全員で「電気を有効に使うには、必要なときに必要な時間を考えて使うと良い」とまとめ、学習の振り返りをノートに書いた。

 授業後は専門委員会委員長で光陽小の松枝昌明教諭が「小学校プログラミング教育必修化に向けて~プログラミング教育の考え方」について解説した。新学習指導要領から小学校におけるプログラミング教育のねらいや育成すべき資質・能力を説明。

 教育課程内のプログラミング教育として、①学習指導要領に例示されている単元等で実施するもの②学習指導要領に例示されていないが、学習指導要領に示されている各教科等の内容を指導する中で実施するもの③各学校の裁量により実施するもの④クラブ活動など特定の児童を対象に実施するもの―の四つの分類を示し、年度末に発行する専門委員会の研究集録を参考にするよう促した。

 このあと、専門委員で青陵中の村上健介教諭が講師を務め、受講者は実際にスクラッチを使ってキャラクターを動かしたり図形を書いたりして、プログラミングを体験した。

(市町村 2018-12-18付)

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