札特協が第２回研修会開催　保護者との関係づくり理解　講師に道教育大・齊藤准教授

（関係団体 2019-01-10付）

齊藤准教授は、保護者支援のポイントを解説した

　札幌市特別支援学級設置学校長協会（栗原靖会長）は三十年十二月下旬、札幌市教育文化会館で第二回研修会を開いた。小・中学校、特別支援学校の校長など約四十人が参加。外部講師の講演を通し、障がいのある子どもの保護者との関係づくりなどについて理解を深めた。

　はじめに、栗原会長があいさつ。昨年三月に文部科学省と厚生労働省が家庭と教育と福祉の連携「トライアングル」プロジェクトの報告をまとめたことなどにふれ「保護者とともにという姿勢がますます求められている」と話した。研修会の講師で道教育大学札幌校の齊藤真善准教授を紹介。これまでに精神発達相談員や精神発達判定員などを務めてきたことを説明し、「園や学校が保護者とうまくいく関係づくりのヒントをいただければ」と期待した。

　続いて、齊藤准教授が「こうすればうまくいく！発達障がいのある子どもの家族の理解とその支援～園長・校長のリーダーシップを発揮した保護者対応の在り方」と題して講演。保護者支援について「日々の育児が楽しいと思ってもらえるよう、声をかけ、支えていくこと」と述べ、特に障がいのある子どもの保護者は「誰かの支えがなければ（育児を）乗り越えられない」と強調した。

　最近の発達相談では、「かんしゃく」が増えていることを紹介。背景として、言うことをきく子をつくろうとする風潮が強いことなどを挙げた。

　現在の早期療育における保護者支援の課題として、分業・システム化された療育体制では保護者の能動的な育児行動が抑制される場合があることを説明。保護者が育児に主体性をもてるようかかわる重要性を強調した。

　また、母親は、母として評価されることに敏感になっている場合があることなどにふれ、母親から初めて相談を受ける際には、スーツを脱ぐなどして、立場を越えて話を聞く雰囲気をつくるよう助言した。

　発達障がいのある子どもの母親にアドバイスする際には、実例や具体例を提示するなど、今の生活を変化させたあとの安全性と意義を証明する必要があることを伝えた。

　このほか、愛着障がいや、傾聴技法の実践ポイントなどを紹介した。

(関係団体 2019-01-10付)