札幌市中学校教頭会が新年講演会　愛情もって人材育成を　講師に十勝バス・野村社長

（関係団体 2019-01-15付）

野村社長が、組織における人材育成について講話した

　札幌市中学校教頭会（鈴木克明会長）は九日、ホテルライフォート札幌で新年講演会を開いた。十勝バス㈱の野村文吾代表取締役社長が講演。約九十人が参加し、組織における人材育成などについて理解を深めた。

　はじめに鈴木会長があいさつ。現在、年度の総決算や次年度の方向性を決める時期となったことにふれ、同会の「教育課程」「生徒指導」など六つの研究の柱をもとに進めてきた研修や情報交流を生かし「各学校の実態に応じた具体策を導き出して進めたい」と話した。

　続いて、野村社長が演題「活力ある学校づくり」のもと講演。大学卒業後の約十年間、民間企業に勤めていたものの、父親の会社である十勝バス㈱の経営が悪化していることを知り、経営を継ぐため、平成十年に入社したことを紹介した。

　前職での経験を生かそうと、経営再建に向けて様々なアイデアを出すも、理解が得られず、社員との関係にも悩んでいたことを振り返った。

　そのころ、経営者の先輩から常に言われていた「社員を愛せよ」という助言を、真剣に受け止めていなかったことを説明。しかし、先輩が本気で自身を「心配している」という言葉に心が動き、翌日には社員全員に「みんなを大切に愛する。もう少し自分を見ていてほしい」と宣言した。

　宣言後、社員に変化があり、会社としても成果が出始めたことを紹介。変化の背景として、自身が社員を愛するという見方をもったことで、良いところや個性を認め、個人の強みを生かした仕事の割り振りなどができるようになったことを説明した。

　また、好きな言葉として「蒔かぬ種は生えない」を挙げ、組織のリーダーとして後進のために環境を整えていく必要性を強調。「誰もが素晴らしい人材になる可能性を秘めている」と述べ、人の個性や強みを生かす大切さを訴えた。

(関係団体 2019-01-15付)