【解説】柴山イニシアティブ　文科省

（解説 2019-02-05付）

　文部科学省は「高等教育・研究改革イニシアティブ（柴山イニシアティブ）」を公表した。改革の方向性として「高等教育機関へのアクセスの確保」「大学教育の質保証・向上」など四点のもと、それぞれ具体的方策と今後の方向性を示した。通常国会に関連法案を提出する。

　意欲ある若者の高等教育機関への進学機会を確保するとともに、高等教育・研究機関の取組・成果に応じた支援と評価を徹底することで、教育・研究・ガバナンス改革を一体的に進めるもの。世界をけん引するトップ大学群と地域や専門分野をリードする大学群の形成、最前線で活躍する研究者、次代を担う学生の活躍の促進を目的としている。

　改革の方向性として、①高等教育機関へのアクセスの確保②大学教育の質保証・向上③研究力向上④教育研究基盤・ガバナンス強化―の四点を設定。今後の方向性、具体的方策、工程表を示した。

　①では、住民税非課税世帯またはそれに準ずる世帯の学生を対象に、大学・短期大学・高等専門学校・専門学校における「授業料等減免」「給付型奨学金の支給」を合わせて措置。家庭の経済状況にかかわらず、大学や専門学校等へ進学できるチャンスを確保する。

　今後、通常国会に「大学等における修学の支援に関する法律案」を提出。二〇一九年度中に支援対象者の採用、大学等の要件の確認に関する手続きを進め、二〇二〇年度から実施する。

　②では、カリキュラム編成の高度化など「教学マネジメント」に関する指針を二〇一九年度に策定、二〇二〇年度から周知するほか、大学の質を保証するシステムの確立に向けた部会を設置し、二〇二〇年度をめどに大学設置基準の抜本的見直しに向けた検討を進めるなどの方針を示した。

(解説 2019-02-05付)