【解説】特別支援高等部の新指導要領

（解説 2019-02-07付）

　文部科学省は、二〇二二年度の入学生から実施となる特別支援学校高等部の新学習指導要領を公表した。移行措置の内容をまとめた「現行特別支援学校高等部学習指導要領の特例を定める告示」も併せて公示。ことし四月からの「総合的な探究の時間」の実施、二〇二〇年四月からの「特別の教科　道徳」の先行実施などを示している。

　基本的な考え方として、社会の形成に参画するための資質・能力を一層確実に育成するため、社会に開かれた教育課程を重視。幼稚園、小学校、中学校、高校の教育課程との連続性を重視するほか、障がいの重度・重複化、多様化への対応、卒業後の自立と社会参加に向けた充実などを挙げている。

　卒業後の視点を大切にしたカリキュラム・マネジメントを計画的・組織的に行うことを規定。家庭、地域、関係機関などと連携し、キャリア教育の充実を図ることを掲げている。

　視覚障がい、聴覚障がいなどの生徒に対する教育を行う特別支援学校において、新高校学習指導要領で示す各教科・科目などの目標と内容に準ずるとともに、障がいの特性に応じた指導上の配慮を充実させた。

　移行期間における教育課程の編成・実施に当たっての留意事項をみると、高校と同様、ことし四月から「総合的な学習の時間」を「総合的な探究の時間」として新学習指導要領に基づき実施。

　二〇二〇年四月からは、知的障がいの生徒に対する教育を行う特別支援学校において「道徳」を「特別の教科　道徳」にあらため実施するなどとした。

　移行期間中の学習評価に関しては、新学習指導要領の規定を適用する部分も含め、現行要領に基づき評価。「特別の教科　道徳」においては、別途通知する。

(解説 2019-02-07付)