３０年度文科大臣優秀教職員表彰　“学びたい、卒業したい”大切に　釧路鶴野支援・犬養教諭

（学校 2019-02-08付）

表彰状を手にする犬養教諭

　【釧路発】釧路鶴野支援学校（櫻田拓也校長）の犬養浩一郎教諭が、文部科学大臣優秀教職員表彰を受彰した。特別支援教育コーディネーターとして釧路・根室管内の学校を回り、様々な課題を抱える子どもたちへの効果的な支援方法を助言していることなどが評価された。一月十五日に東京都で開かれた表彰式に出席し、表彰状と記念品が授与された。

　表彰は学校教育における教育実践に顕著な成果を挙げた教職員の功績を広く周知し、我が国の教職員の意欲・資質能力の向上を目的に行っているもの。

　本年度は、道内の公立学校から合わせて二十人の教職員が選ばれた（一月十日付2面既報）。

　犬養教諭は同校の特別支援教育コーディネーターとして、小・中・高校への支援や研修協力に取り組んだことなどが評価された。道教委のパートナー・ティーチャー派遣事業として依頼のあった釧路管内の高校を多く回り、困り感のある生徒の授業見学、生徒との面談などを実施している。

　効果的な支援方法を高校の教職員とともに考え合うほか、校内研修などを通して生徒全員が分かりやすく学びやすい環境を目指すユニバーサルデザインの視点に立った授業づくりを今後も進めていく考え。

　また、同校の「職業」の教育課程編成において、どの教員が担当しても一定の水準で指導できるよう、障がい特性に応じた指導方法を具体的に示した計画を作成。根釧地区特別支援教育ネットワーク協議会に所属し、釧路・根室管内の小・中学校を支援するとともに、釧路市障がい者自立支援協議会に所属し、釧路市の障がい福祉施策に協力するなど地域からも高く評価されている。

　受賞を機に犬養教諭は「生徒が抱える課題の原因を分析し、早めに支援すべき。“学びたい、卒業したい”という気持ちを大切に生徒のモチベーションを高めていきたい」と話し、各校の支援体制確立に向け意気込みを新たにしている。

　櫻田校長は「地域の特別支援学校としてセンター的機能を発揮できているのは、犬養教諭の力が大きい。困り感を抱える子どもたちの成長のために広く活用してほしい」と話している。

(学校 2019-02-08付)