道教委が31年度教育予算案発表―骨格編成 2.3%減、3942億円 部活動指導員等配置を拡大 
(道・道教委 2019-02-12付)

道教委の31年度教育費予算案
道教委の31年度教育費予算案(クリックすると拡大表示されます)

 道教委は八日、三十一年度道教育予算案を発表した。知事選を控えた骨格予算で、予算総額は前年度比二・三%減の三千九百四十二億六千八百十六万円。学校における働き方改革推進事業費には一億二千五百万円を計上し、部活動指導員、スクール・サポート・スタッフの配置規模を拡大。厚真町、安平町、むかわ町の全小・中学校にスタッフを配置する。いじめ等対策総合推進事業には二億二千万円を計上し、市町村に派遣するスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置を拡充。また、特別支援学校において、高等部職業学科を除く全普通教室などで熱中症回避のための空調設備の整備を進める。

 三十一年度予算は骨格編成で、年度当初から学校教育活動に必要となる経費を計上。ソフト事業に関する新規事業は、二定補正予算で措置する見通しとなっている。

 三十一年度予算の総額は三十年度当初予算と比べて二・三%減の三千九百四十二億六千八百十六万円となった。

 給与費は〇・二%増の三千五百八億二千四百八十一万円。一般事業費は二八・〇%減の三百二十一億四千二百十三万円となった。一般事業費の大幅減は、これまで銀行に預託していた高校生の無利子奨学金を債務保証に変更する制度変更が大きな要因となっている。

 一方、北海道胆振東部地震関連により、高校大規模改造に着工する高校数が増加。また、熱中症を回避するための特別支援学校における空調設備整備などによって、施設等建設工事費が二九%増の百十三億百二十一万円となった。

 一般事業の主な事業をみると、道学力・体力向上対策推進事業費に四億三千五万円を計上。小学校英語力向上支援事業では、モデル地域において模擬商店などを設置して留学生やALTと英会話を行う「英語deトライ」を十四管内に拡充して実施。児童の英語コミュニケーション能力の育成を図っていく。

 ほっかいどう学力向上推進事業では、組織力強化会議の開催など、検証改善サイクルの確立促進に向けた取組を進め、ミドルリーダーの指導力向上研修、小中一貫教育の支援など、児童生徒の学力向上の取組を継続して実施する。

 三十年度から三ヵ年計画で始まった道ふるさと・みらい創生推進事業では、農林水産、建設所管部との連携によるインターンシップや高大連携による疑似留学体験などを継続して実施。三十一年度に初開催する全道フォーラムでは、地域の課題解決に取り組む研究モデルの指定校が実践を発表する。

 いじめ等対策総合推進事業費には、二億二千七十三万円を計上し、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを増員。スクールカウンセラーは通年型百四人を二百八校、巡回型三十二人を百二十八校、その他の小・中学校九百六十校に派遣する。

 道立高校のスクールカウンセラーは、百二十五校に通年配置。市町村におけるスクールソーシャルワーカーは三十五市町村四十一人を配置する。

 三十年度から試行を開始したSNSを活用した相談事業費には九百九十二万円を計上。委託事業者によるSNS相談窓口を一定期間開設し、生徒が抱える問題の対応に当たる。

 学校の働き方改革推進事業費には、五一%増の一億二千五百九万円を計上。このうち、学校部活動の総合的な支援体制構築事業費に三千九百九十九万円を充て、道立高校、市町村立中学校における部活動指導員の配置を拡大する。

 スクール・サポート・スタッフ配置事業費には、倍増の八千五百九万円を計上し、配置人数を三十年度の三十五人から六十七人に拡大。このうち、北海道胆振東部地震で特に被害の大きかった厚真町、安平町、むかわ町では、全小・中学校にスタッフを配置する見通し。二月中に各市町村の意向を確認し、四月からの配置に向けて準備を進める。

 学校建設関係は、胆振東部地震で被害を受けた追分高校など四校の学校施設を復旧。新規事業として水産高校の実習船・北鳳丸の代船建造の設計に着手する。

 特別支援学校大規模改造費には、八五・三%増の三十八億四千六百五十一万円を計上。熱中症回避のため、特別支援学校四十五校において高等部職業科を除く全普通教室、高等部単置校二十二校の各一教室の空調設備を整備する。

(道・道教委 2019-02-12付)

その他の記事( 道・道教委)

空知局が携帯カード作成 局全体で非常事態に備え 災害発生時に適切な初動対応を

災害初動対応カード  【岩見沢発】空知教育局は、災害時の初動対応を名刺サイズにまとめた携帯カードを作成した。昨年の北海道胆振東部地震を受け、自宅など勤務地以外で災害が発生した際に適切な初動を図るため、非常配備体...

(2019-02-13)  全て読む

職員のアイデア導入 働き方改革で1月から上川局 「出勤簿分冊化」「帰るアピール」

上川教育局働き方改革の取組  【旭川発】上川教育局は、局職員の働き方改革として、「出勤簿の分冊化」と、ワークライフバランスを意識させる「帰るアピール」を一月二十二日から導入した。職員のアイデアを実行したもので、これらの...

(2019-02-13)  全て読む

第2回道総合教育会議開く 地域創生へ学習機会拡大 大正大・浦崎教授が講演

第二回北海道総合教育会議  道は六日、ホテルポールスター札幌で三十年度第二回道総合教育会議を開いた。議題は「地域創生と教育」。道教委が本道における地域創生と学校教育にかかわる取組を紹介したほか、大正大学地域構想研究所...

(2019-02-13)  全て読む

キャリアアップ意欲向上 女性教員対象にセミナー 胆振局

胆振局女性教員対象セミナー  【室蘭発】胆振教育局は一日、むろらん広域センタービルで女性教員のキャリアデザインセミナーを開いた。管内の小・中・高校等の女性教員約二十人が参加。パネルディスカッションやワークショップを通じ...

(2019-02-12)  全て読む

31年度道教育予算案主要事業の概要 

 三十一年度道教育予算案の主要事業概要はつぎのとおり(金額単位・万円)。 ■一般事業関係 ◆社会で活きる力の育成 【道学力・体力向上対策推進事業費】=四三、〇〇五 ▼ほっかいどう学力...

(2019-02-12)  全て読む

部活動指導業務手当基準額を変更 3時間2700円に 1定道議会へ条例改正案

 道は、十五日に開会する一定道議会で教員特殊業務手当に関する条例の一部を改正する条例案を提出する。部活動指導業務手当の支給基準額を「四時間程度三千六百円」から「三時間程度二千七百円」に変更す...

(2019-02-12)  全て読む

道の31年度予算案 一般会計2・7兆円 高校生サミット開催

 道は八日、三十一年度予算案を発表した。一般会計は二兆六千九十七億円を計上。前年度当初と比べ五・一%減少した。  教育関連の主な事業では、「世界津波の日」高校生サミット開催費に五千八百万円...

(2019-02-12)  全て読む

早寝早起き推進校特設ページ開設 道教委

 道教委は、生涯学習課Webページに「早寝早起き朝ごはん推進校事業」の特設ページを開設した。  ネット利用を含めた基本的な生活習慣について、自ら考え実践することが目的。推進校三校で実施した...

(2019-02-08)  全て読む

子どもの生活習慣づくり会議―実行委主催 組織見直しなど協議 課題意識と主体的行動を

第3回道子どもの生活習慣づくり  道子どもの生活習慣づくり実行委員会(青田基会長)は六日、道庁別館西棟で第三回会議を開いた。早寝早起き朝ごはん推進校事業など、望ましい生活習慣の定着に向けた本年度の取組を報告し、生徒が課題意...

(2019-02-08)  全て読む

3校・2団体に栄誉 管内教育実践表彰決まる 石狩局

 石狩教育局は、三十年度管内教育実践奨励表彰の受賞校・団体を決定した。学校教育では、江別市立江別第一小学校、江別市立江別第二中学校、札幌英藍高校の三校。社会教育では、北広島市大曲地区生涯学習...

(2019-02-08)  全て読む