防災教育プログラムによる授業 新年度から全小学校で 民間企業の活用も視野に 石狩市教委(市町村 2019-03-27付)
石狩市教委は、三十一年度から市内全小学校で防災教育プログラムに基づく授業を実施する。授業は、児童の防災意識や危機意識を高め、避難行動を学習するもの。五年生を対象にした授業の中で、復興支援に携わる民間企業等からの人材登用も視野に入れるなど、防災教育の充実を図る。
国土交通省は水防災意識社会の構築に向け、防災教育に関する支援校を教育機関と連携し決定。道内では、各協議会管内に防災教育の指導計画作成を支援するモデル校を選定し、支援事業を進めている。
支援事業は、災害時における避難行動の必要性と自然に恩恵と災害の二面性のあることを児童に理解を促すことが目的。モデル校には、授業に必要な写真やデータ、情報などが国の機関から学校に提供される。
市教委は二十八年度、小学校教員および市教委職員、開発建設部職員などで構成する防災教育プロジェクトチームを設立。モデル支援校の八幡小学校で試行授業を実施した。二十九年度には緑苑台小学校・厚田小学校で公開研究授業、三十年度は南線小学校でモニター授業を実施するなど取組を推進している。
また、三十年十月には防災意識を高める取組として一日防災学校を石狩小学校で実施。陸上自衛隊真駒内駐屯地の隊員を招き、防災に関する講話を行った。
プロジェクトチーム会議で作成した指導案では、五年生の社会科「自然災害とともに生きる」の単元で、年間五時限の授業を設定した。実際に石狩市で発生した水害、雪害、風害などの自然災害の写真を提示し、児童に防災意識や危機意識を高め、避難行動を学ばせる内容となっている。
ねらいは、①水害から自分の命や身を守るための行動を考える(自助)②日本で起こった自然災害を知り、自然災害と国土の自然環境との関係について考える③自然災害から暮らしを守るための公共事業とその歴史について学ぶ(公助)④地域における防災活動について学び、積極的に参加する意識を育てる(共助)―の四点。①では、テレビやラジオ、防災無線から情報を集めることや避難情報が出ていたらすぐに避難することなどを学習させる。
②は、石狩市において、大雨、大雪、暴風、地震などによる自然災害が起きていることなどを学ぶことで、自助、公助、共助によって自然災害の被害を小さくする減災につなげることをねらっている。
五時限目の授業の最後は、実際に水害の救助に当たった人などのインタビュー動画を視聴し、災害救助や共助を理解する時間に充てられている。
三十一年度、石狩市はモデル支援地域として市内全小学校十二校でプロジェクトチームが作成した指導案をもとに防災教育授業を実施する。
今後は新学習指導要領への対応に向けて、より身近に自分の街のこととしてとらえさせる授業内容を検討する。水害時に救助に当たった人のインタビュー動画に代わり、自衛隊員や消防隊員のほか、有事の際に最前線で復興支援に携わる地域の民間企業の活用といったことも視野に入れるなど、防災教育の充実を図る。
(市町村 2019-03-27付)
その他の記事( 市町村)
黒松内町31年度教育行政執行方針 CS完全実施へ準備委 適応指導教室を設置
【倶知安発】黒松内町教委の内山哲男教育長は三十一年度教育行政執行方針において、コミュニティ・スクールの三十二年度全校完全実施に向け、黒松内小学校、白井川小学校、白井川中学校で準備委員会を立...(2019-03-28) 全て読む
寿都町31年度教育行政執行方針 小中高の連携を推進 体験活動充実し人間育成
【倶知安発】寿都町教委の有田千尋教育長は三十一年度教育行政執行方針において、町内小中高連携推進委員会を中心に各学校間の連携を深化させるとした。このほか、社会性や豊かな人間性の育成に向け、体...(2019-03-28) 全て読む
豊浦町31年度教育行政執行方針 英語学習支援員を配置 タブレット端末導入へ調査
【室蘭発】豊浦町教委の野橋知哉教育長は三十一年度教育行政執行方針で、三十一年度以降の小学校における英語科と外国語活動の指導の充実を目的に、ALTに加え英語学習支援員を配置することを示した。...(2019-03-27) 全て読む
江差町31年度教育行政執行方針 2校を併設型学校に 江差中校区内でCS導入
【江差発】江差町教委の太田誠教育長は三十一年度教育行政執行方針において、江差北小学校と江差北中学校がこれまで取り組んできた小中一貫教育のさらなる継続と充実を図るため、三十一年度から学校管理...(2019-03-27) 全て読む
札幌市 医療的ケア児の実態調査 保護者等実施が78% 経管栄養と吸引 大半占める
札幌市は、医療的ケア児の実態調査結果をまとめた。児童生徒の通学先での医療的ケアの実施者(複数回答)は、保護者と学校の看護師がそれぞれ七八%で、教職員が五六%。実施している医療的ケアの内容(...(2019-03-27) 全て読む
南幌町31年度教育行政執行方針 公設塾で小6英語を 小・中が連携し授業
【岩見沢発】南幌町教委の小笠原正和教育長は三十一年度教育行政執行方針で、公設学習塾について、新たに小学六年生を対象とした英語科を実施する考えを表明した。さらに外国語教育の充実に向け、小・中...(2019-03-27) 全て読む
鷹栖町31年度教育行政執行方針 学習サポーター配置 CS導入し学校づくり
【旭川発】鷹栖町教委の宝田庄十郎教育長は、三十一年度教育行政執行方針で学習サポーターやスクールソーシャルワーカーを配置し、きめ細やかな相談、支援体制の強化を図るとともに、コミュニティ・スク...(2019-03-27) 全て読む
東神楽町31年度町政執行方針 共同学校事務室活用強化へ 勤怠管理システムを導入
【旭川発】東神楽町の山本進町長は三十一年度町政執行方針で、教職員の働き方改革の取組の一環として、昨年導入した共同学校事務室の活用を強化することをはじめ、新たに教職員の勤怠管理をするシステム...(2019-03-27) 全て読む
中富良野町31年度教育行政執行方針 各学校に司書配置へ 町内全学校でCS実施
【旭川発】中富良野町教委の中島光明教育長は三十一年度教育行政執行方針で、新たに学校司書を配置して各学校の読書環境の整備を推進することを表明した。このほか、中富良野小学校に続き、町内全学校で...(2019-03-27) 全て読む
情報教育を充実 洞爺湖町31年度予算
【室蘭発】洞爺湖町の三十一年度予算がまとまった。一般会計の総額は三十年度肉付補正後と比べ三・八%増の七十億五千九百四十四万円。このうち、教育費には一・二%増の三億九千四百二十万円を計上して...(2019-03-26) 全て読む