札幌市社会教育委員会議が提言案　生涯学習のコーディネート機能強化　学びに身近な施設を

（市町村 2019-04-01付）

　札幌市社会教育委員会議は、地域の身近な施設を活用した生涯学習についての提言案をまとめた。生涯学習の推進に向けて、市における課題を解決するために「地域における学びのコーディネート機能の強化」などを提言。生涯学習センターにおけるコーディネーター育成プログラムの開発と実施などを具体的な取組として示している。今後、文言の修正等を行い、6月ころに市教委の長谷川雅英教育長に手交する予定だ。

　市は、29年3月に生涯学習を推進していくための指針となる第3次生涯学習推進構想（＝3次構想）を策定した。

　会議では、3次構想の重点施策に「身近な地域で学びを深められる環境の整備」を掲げていることなどから、今期の協議テーマを「地域の身近な施設を活用した生涯学習」と設定。生涯学習の推進に向けて、関連する課題や課題解決策について話し合ってきた。

　提言案は、全3章で構成。第2章は、区民センターなどのコミュニティ施設や、図書館、生涯学習センターでの取組や課題について記している。各施設全体を通じた課題に「地域の学習資源の有効活用」「各施設における多様なつながりづくり」を挙げている。

　また、2つの課題を解決するために必要な視点として、「学びをコーディネートする人材（＝コーディネーター）の必要性」を提示している。

　第3章では、提言として①地域に応じた学びの充実②地域における学びのコーディネート機能の強化―の2つを明記。①の具体的取組には、「様々な用途で図書館を利用できる仕組みの構築や、地域住民の企画提案を取り入れた学びの場づくり」などを挙げている。

　②の具体的取組には、生涯学習センターにおいて、地域の身近な施設の職員に向けたコーディネーター育成プログラムの開発と実施など、地域の身近な施設において学習相談に応じるための窓口の設置などを提示。また、外出が困難な状況にある人などに対し、読書活動を支援するアウトリーチに取り組むことなども例示している。

　案は、修正などを加えて取りまとめたあと、6月ころに長谷川教育長に手交する予定。手交後は、提言の内容などを関連施設に共有するほか、取組の実現に向けて検討してもらうこととしている。

(市町村 2019-04-01付)