釧路市教委が標準学力検査公表 国語―小4・6特に高く 算数・数学―小6以外目標値届かず
(市町村 2019-04-02付)

学年・教科ごとの目標値と市平均正答率(全体・基礎・活用)
学年・教科ごとの目標値と平均正答率(クリックすると拡大表示されます)

 【釧路発】釧路市教委は、30年度市標準学力検査の結果と指導改善のポイントをまとめた。市内小学3~6年生と中学1・2年生の国語、算数・数学を対象に行ったもの。国語は小学4~6年生と中学1年生で目標値を上回ったが、算数・数学は小学6年生以外の学年で目標値を下回った。市教委では「児童生徒の算数・数学的な活用力を高めていくために、主体的・対話的で深い学びにつながる授業改善に一層努めるべき」と分析している。

 市内の公立小学校全26校の3~6年生、中学校全15校の1・2年生を対象に、国語、算数・数学の2教科で実施。

 学習指導要領に示された内容について標準的な時間をかけて学んだ場合、設問ごとに正答できることを期待した児童生徒の割合を示した目標値と比較して結果を示した。

 国語は小学4~6年生と中学1年生で目標値を上回り、特に4年生と6年生は3ポイント以上高かった。

市教委では「書く能力」に課題がみられる学年が多いと分析。

 問題や解答例から、「問題に書かれている情報や内容をとらえ、自分で整理すること」「整理したことをもとに自分で考え、表現すること」を課題に挙げた。

 そのため、指導に当たっては、「書くこと」の指導の工夫を継続するとともに、指導事項を的確に押さえた「読むこと」の指導、短い時間の中で文章や資料から必要な情報を読み取る活動、自分の考えに理由を付けて説明するなど、日々の指導における継続した取組の必要性を訴えている。

 さらに、「言葉の学習」や「文法・語句に関する知識」の中には、複数年継続して課題がみられる設問があることから、新しく学ぶ機会を大事にするとともに、身に付けた内容の確認、各学年で取り扱う内容を整理した丁寧な指導、定着を目的とした繰り返し学習を行うよう求めている。

 一方、算数・数学は小学6年生以外の学年で目標値を下回り、特に、中学2年生は5ポイント以上低かった。依然として基礎よりも活用に課題がみられることから、児童生徒の算数・数学的な活用力を高めていくため、「主体的・対話的で深い学びにつながる授業改善に一層努めるべき」と指摘した。

 授業改善の視点として、具体物、図、数、式、表、グラフなどを用いて自分の考えを説明し合ったり、友達の考えや板書された考えの続き、導いた答えや結果の根拠や理由などを説明したりしながら、課題解決する機会を意図的・計画的に位置付けること、学年の発達段階を踏まえたノート指導の充実・板書の工夫、問題解決型の学習の設定、反復学習の取組の充実などを呼びかけている。

(市町村 2019-04-02付)

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