環境教育・環境学習を推進　学校の取組広く発信　札幌市が基本方針を改訂

（市町村 2019-04-02付）

　札幌市は、環境教育・環境学習基本方針を改訂した。環境教育・環境学習の基本的な考え方を明らかにし、継続的に取組を進めていくための方向性を示すもの。子どもに対する環境教育・環境学習が、市の取組のベースになるとの考えから、学校等に対して「学校等で実践している取組をホームページなどで情報発信する」「環境問題を体系的・計画的に理解を深めるためのカリキュラム・マネジメントを推進する」ことなど、継続して取り組むよう求めている。

　市は、環境に配慮した行動が社会全体に定着し、次世代に継承されていくことを目的に平成8年、市環境教育・学習基本方針を策定。30年に第2次市環境基本方針を策定した。今回、より広い視野で環境教育・環境学習をとらえ直すとともに、環境問題をより多くの人に伝え、環境に配慮した行動を促すため、市の環境教育・環境学習の取組の方向性を示すものとして基本方針を改訂した。

　方針では、基本理念を「みらいを想い、みんなを思い、真剣に考え行動できる環境市民を育てます」と設定。環境教育・環境学習を行う際に重視すべき点として「自然からの恩恵や命を大切にする感性を持つ」「体験により実感を伴う学習をする」「理解度や実践度に応じた働き掛けをする」など5点を掲げている。

　市が主体となって推進する取組として、①学校などの教育機関等で行われる環境教育の推進②環境人材の育成③環境教育・環境学習の場と機会の充実④普及啓発のための情報の発信・広報と行動のあと押し―の4点を提示。

　うち、①については、子どもに対する環境教育・環境学習が、「市が進める取組の始まりの中心」と考えていることから学校等に対して「自然体験学習などの環境に関する学習活動の研究実践、エコスクール、エコアクションの取組などによって、子どもたちの自主的な行動を促す教育活動を推進する」「学校等で実践されている取組をホームページなどで情報発信する」「環境問題を体系的・計画的に理解を深めるためのカリキュラム・マネジメントを推進する」ことなどに引き続き取り組むことを求めている。

　また、市は学校等が円滑に取組を進めることができるよう、「環境教育教材などの提供」「教員向けの研修の実施」「学校向けの環境教育施設・設備の整備」に取り組むことを掲げている。

(市町村 2019-04-02付)