新時代の学び支える先端技術活用―文科省　ＳＩＮＥＴで遠隔教育　６月までに活用モデル提示

（道・道教委 2019-04-02付）

　文部科学省は、次世代の学校・教育現場を実現するための具体策を示す「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策（中間まとめ）」を発表した。2023年度までに「遠隔教育を実施したいができていない学校」の割合をゼロにすることを目標に設定。学術通信ネットワーク「ＳＩＮＥＴ」を、希望する全初等中等教育機関に開放することで高品質の遠隔教育を可能とし、パブリッククラウドと連結した機密性の高い安定的通信の確保、高等教育との連携強化を図る。今後、ＳＩＮＥＴの活用モデルを6月末までに提示する。

　中間まとめでは、①遠隔教育の推進による先進的な教育の推進②教師・学習者を支援する先端技術の効果的な活用③先端技術の活用のための環境整備―の3方策を示し、学校のＩＣＴ化を推進する方針を示した。

　①の遠隔教育の推進に向けては、2023年度までに「遠隔教育を実施したいができていない学校」の割合をゼロにすることを目標に設定。

　連携先の紹介をはじめ、様々な支援・助言が得られる環境整備や、当該教科免許をもたない教員でも受信側の授業を担当できる中学校における新たな特例校制度「仮称・遠隔教育特例校」の創設を含めた実証的取組を進める。

　②では、第1段階の「データ収集・活用のための環境整備」、第2段階の「データ収集・分析（事実の把握）」の整備を行いつつ、第3段階「ＡＩによるレコメンド（アルゴリズムによる解析）」の先端技術を推進。

　③では、世界最高速級の学術通信ネットワークＳＩＮＥＴを希望するすべての初等中等教育機関に開放。これによって、高品質の遠隔教育、全国規模のＣＢＴ（コンピュータベーステスト）の実施が可能となるほか、パブリッククラウドと連結した機密性の高い安定的通信の確保、初等中等教育・高等教育の交流・連携の強化を図る。

　希望する初等中等教育段階の学校が利用できる環境の整備に向け、ＳＩＮＥＴの活用モデルを六月末までに検討・提示する。

　パブリッククラウドの利活用に向けては、教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインの見直しを予定。様々な教育コンテンツに柔軟利用可能であるなどのクラウドのメリットを踏まえ、クラウドの活用を前提とした記述を検討。より柔軟なセキュリティ確保モデルの提示、安価な環境整備に向けた具体策を提示する。

(道・道教委 2019-04-02付)