文科省研究開発学校の実施報告書 適度な対面授業が効果 受信校の校内体制整備必要 道教委まとめ(道・道教委 2019-04-16付)
道教委は『30年度文部科学省研究開発学校 研究開発実施報告書(第2年次)』をまとめ、Webページに公表した。研究協力校・研究開発校間で実施した遠隔授業の結果から、授業時間数の緩和の可能性を検証。遠隔授業によって、対面授業の時間数を緩和した単位認定は可能とした上で、主体的な学びに向けた意欲を高めるため、教科の特性に応じて対面授業を適度な回数で実施することが効果的と指摘。その上で、対面授業の必要回数とその根拠を明確にすることや、補助教員の役割のマニュアル化など受信校の校内体制整備が必要としている。
事業は、小規模校や離島の高校の教育水準の維持向上を図るため、全日制・定時制課程高校において遠隔授業を実施し、授業時数を緩和した単位認定の在り方や指導方法を検討するもの。
研究期間は29年度から4年間で、30年度は夕張高校、平取高校、南茅部高校、下川商業高校、礼文高校、豊富高校、常呂高校、阿寒高校の8校を受信側の研究開発学校、有朋高校と倶知安高校の2校を配信側の研究協力校に指定。数学、理科、英語など様々な科目の授業を配信し、授業時間数の緩和の可能性を検証している。
生徒の「学びに向かう力、人間性等」の変容を把握するため、対面前後の遠隔授業と通常授業を比較して調査。
結果をみると、「自己効力感」「継続性」「目標設定」など多くの指標で遠隔授業、通常授業に差が生じなかった一方で、「勉強することは自分にとって大切だと思う」など、質の高い学びに通じる評価指標は通常授業の方が高いことが分かった。このため、教育課程全体を通して学ぶ意欲を醸成すること、そのために受信校のカリキュラム・マネジメントの重要性を示した。
また、保護者を対象に実施したアンケート調査からは、「専門的な知識を有する教員から指導を受けることができる」などの答えが増えており、教育課程の充実に対する期待が高まっていることが判明。
今後の方向性として「研究開発によって対面授業は遠隔授業によって代替ができ、対面授業の時間数を緩和した単位認定は可能」と報告。
主体的な学びに関する指標については、2回の対面授業の実施後に評価が向上したことから、対面授業を教科の特性に応じた適度な回数で実施することが効果的とし、対面授業の必要回数とその根拠を明確にすることの必要性を示した。
また、受信校の補助教員を他教科の教員が担当できるよう役割をマニュアル化するなど、受信校の校内体制整備が必要と指摘している。
(道・道教委 2019-04-16付)
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