31年度渡島管内教育推進の重点 公立学校長会議で五十嵐局長説明 独自に授業改善プロジェクト
(道・道教委 2019-04-16付)

渡島管内公立学校長会議五十嵐局長
五十嵐晋局長

 【函館発】渡島教育局は10日、渡島合同庁舎で管内公立学校長会議を開いた。五十嵐晋局長が、5つの行動指標「そろえる」「見せる」「徹底する」「見つける」「守る」を示し、学習指導要領に基づいた授業に質の向上や家庭・地域との連携、いじめ未然防止への取組を進めるよう求めた。「徹底する」の「授業の質の向上」については「すべての子どもが学びを実感できる教育活動が、管内のすべての学校で毎日展開されることを目標にしたい」と述べ、局独自の事業として、指導主事による訪問研修「授業改善プロジェクト」を本年度から実施していくとした。

 会議は昨年度まで、管内全校種の園長・校長が出席していた。

 一方で、特別支援学校と高校の校長は別日程で校長会・協議会を開催していることや義務教育と違いがあることから、本年度から幼・小・中の園長・校長を対象に開催。幼・小・中の園長・校長、管内市町教委の教育長など、約150人が出席した。

 五十嵐局長のあいさつ概要はつぎのとおり。

 校長は「校務をつかさどり、所属職員を監督する」とされている。学校の最高責任者として校長先生方には、教育課程の編成・実施・評価・改善などの学校教育の管理、児童生徒の管理、学校保健の管理、施設・設備の管理、教職員の管理のほか、所属職員の職務上、身分上の監督など1校のすべてをお任せすることになるので、あらためてよろしくお願いする。

 本日は管内教育の重点事項、あるいは推進の方針について、長時間にわたって説明することはしない。国や道の教育の動向等を踏まえつつ、それぞれの市町教委において、教育行政執行方針が示されているので、それに基づいた学校教育を進めてほしいと考えている。

 教育局では、28年度から学校経営における重点事項について5つの行動指標を掲げ、この取組の先にある学校の姿として「明るい雰囲気の中でも引きしまった緊張感が包まれている」「“凜とした空気”漂う学校づくり」を目指した学校経営をお願いしてきた。

 これまで、すべての学校が意識して取り組んでいただいたことによって、多くの学校でそれぞれの指標の改善が進んでいる。

 そのため、31年度は5つの行動指標は引き継ぐものの、「そろえる」は、カリキュラムマネジメントの推進、「見せる」は、家庭や地域社会との相互連携、「徹底する」は、学習指導要領に基づく授業の質の向上、「見つける」は、いじめの未然防止、不登校への適切な支援、「守る」は、服務規律の徹底、働き方改革の推進とステップアップした目標に変更したいと考えている。

 中でも、3の「徹底する」の「授業の質の向上」を31年度の最重点事項として、取組を進めていきたいと考えている。

 目指すべき授業は「教師目線でなく、子ども目線の子どもが主人公となる授業」「分かりやすく、子どもが主体的に学習に取り組める授業」であり、すべての子どもが「きょうは、○○について学んだ」と実感できる教育活動が、管内のすべての学校で毎日展開されることを目標に掲げたい。

 そのため、スローガンは、SDGsと同じ「No one will be left behind〓(誰一人として取り残さない)」とした。このスローガンを45分、50分の授業だけで実現することは難しいものと考えている。

 放課後学習、セカンドスクール、サマースクールなどの補充的な学習を含めた学校におけるすべての教育活動を通して「誰一人として取り残さない」を実現してほしい。

 授業の質の向上を目指し、近江商人の三方よしの精神のように、子どもにとっても、保護者にとっても、教員にとっても「Win Win Win」になれる取組を進めてほしい。

◆リーダーシップと変容を

 昨年は、リーダーシップと変容の2点を意識して取り組んでほしいとお願いした。このことはことしも変わらない。

 特に、授業の質の向上にかかわっては、子どもが主人公となる授業がすべての教室で展開できるようになるため、何ができるのかという課題意識をもち、課題解決の方策を検討し、学校の最高責任者としてリーダーシップを発揮して組織的・計画的に取組を進めてほしいと考えている。

 また、変容については、自校の教員の授業がどのように変わったのか、それによって一人ひとりの子どもがどのように成長したのかを説明・証明できるようにしてほしい。

 教育局では、学校、各教委、教育局が一体となって授業の質の向上の取組を進めるため、義務教育指導監の学校経営指導と指導班の学校教育指導の役割分担の明確化など各学校への支援の在り方を改善する。

 また、昨年度末に試行実施した授業改善プロジェクトについては、本年度から本格実施する。

 渡島の独自事業であるこの事業は、教員経験年数3年から10年目程度の教員を対象に、指導主事が3回ほど訪問して、2人3脚で授業改善の取組を支援していくもの。

 試行実施した多くの協力校から、授業改善の取組として有効との評価を得ている。

 対象となった各学校においては、校内研修のほか、各市町の研修にも活用していただくなど成果の普及啓発に協力してほしい。

 教育局では、渡島に住むすべての子どもの健やかな成長を第一に考え、取組を推進していきたいと思うので、校長先生方においては、健康に留意し、各地域で活躍いただくことを祈念申し上げる。

(道・道教委 2019-04-16付)

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