札幌市小学校長会4月総会・研修会 連帯、協調のもと研鑚を 佐藤会長 取組、課題7点説明(関係団体 2019-04-19付)
佐藤会長は活力ある校長会に向けて方針を示した
札幌市小学校長会4月総会・研修会における佐藤裕三会長のあいさつ概要はつぎのとおり。
▼はじめに
31年度札幌市学校教育の重点においては、目指す人間像を「自立した札幌人」とし、その実現に向け、「知・徳・体」の調和のとれた子どもを育む教育活動の推進を掲げている。これは、各学校・園が札幌の豊かな環境を生かし、地域や学校の実態などに即した特色ある教育課程の編成と実施によって実現するものと思う。
札幌市小学校長会としても、この方向性を大切にし、市民の学校教育に寄せる期待に応えるべく、校長としての職能向上に努め、本市教育の進展に寄与していく。
札幌市立学校の経営責任者である会員の皆さんには、31年度「活動の重点」の第1項にある「学校経営の充実」を図るために、「主体的に裁量して実行する自主性」と「的確に判断し責任を負う自律性」を発揮し学校経営を進めていただくようお願いする。
当面する取組や課題について、7点にわたって話す。
▼校長会の役割
校長会は、校長としての職能の向上を図り、会員相互の「連帯と協調」のもと、今日的課題に取り組み、事務局研修会、理事研修会、支部研修会、専門部研修会、4月と3月の総会・研修会、10月の臨時総会・経営法制研修会、2月の研究大会と、一連のサイクルで活動することとなる。
10区の支部研修会では、当面する課題について各学校の状況を的確に把握し、必要な研修や交流などを重ね、会員が各校で学校課題の解決に向けてまい進することができるよう、取り組んでいただきたいと思う。
7つの専門部研修会においては、様々な教育課題について、専門的な見地からこれまでの研究の積み重ねを生かして研修を深め、積極的に発信することによって、会員に成果を還元してもらう。
校長会としての、研修の場・交流の場の中心は支部研修会と専門部研修会となっている。そのためにも、正確な情報の把握と共有が必要。情報を多面的に分析して総合的に判断し、会員や関係機関に積極的に発信していくことが重要になる。
また、関係機関・民間団体・企業から出前授業や各種の教育的イベントなど、子どもたちのために協力したいという申し出が増加している。校長会に大きな期待が寄せられているところであり、今後とも各団体等との連携を一層深めていきたいと思う。
▼子どもの安全・安心の確保
児童虐待・いじめ・問題行動等の報道が、あとを絶たない。また、不登校児童の増加も懸念されている。
各学校において、関係機関との連携や地域社会、家庭の協力を得ながら、様々な方法を工夫して、対応に取り組まれていることと思う。問題の背景が複雑化する中、その対応に苦慮している学校も増えていることから、これまでの対応事例をもとにした、具体的な取組を迅速かつ効果的に行うことが重要であると考える。
市教委とも連携し、情報の共有化とそれをもとにした具体的な取組を継続的に進めていきたいと思う。
また、昨年9月6日に発生した北海道胆振東部地震は、あらためて防災意識の高揚と災害対応の手立ての検討の必要性を認識させるものだった。この教訓を生かし各校それぞれに防災体制、防災教育の見直しを図っていることと思う。校長会としても各学校の防災体制の強化につながるよう、市教委との協議を続けていきたいと考えている。
▼新学習指導要領全面実施に向けた取組
本年度は、「特別な教科 道徳」の実施や外国語教育の充実など、新学習指導要領実施に向けた移行の2年次となっている。これまで、各学校でカリキュラムの整備や評価にかかわる研修などが積み重ねられてきたことと思う。
新学習指導要領に込められた願いや、新たな取組について、しっかりと理解し、カリキュラム・マネジメントの発想に基づいた自校の教育活動の改善を着実に進めていくことが必要。
教員個々の研修だけに任せず、校長のリーダーシップのもとで移行期間中の教育課程について確認をしたり、課題探究的な学習のイメージを共有したりすること、あるいは、「プログラミング教育」「人権教育」などについても計画的に取り組み、2020年の全面実施に備えていくことが肝要であると考える。
▼服務規律の確保
残念なことに、昨年度は学校職員にかかわる懲戒事案が増加し、また、不祥事の報道等に心を痛めざるを得ない場面もあった。
学校の教育は、信用・信頼関係を前提に成立している。信用失墜行為や交通違反、個人情報の紛失等の防止、あるいは体罰やハラスメントの禁止など、教職員に対してたゆまぬ指導を続けていく必要がある。
私たち校長も、教育公務員として、学校経営のリーダーとしての自覚をさらに高め、率先垂範を心がけていかなければならない。
▼第71回全国連合小学校長会研究協議会秋田大会および第62回北海道小学校長会教育研究胆振・苫小牧大会について
31年10月17・18日に、第71回全国連合小学校長会研究協議会秋田大会が、また、9月13・14日には第62回北海道小学校長会教育研究胆振・苫小牧大会が開催される。校長会としても、北海道小学校長会・全国連合小学校長会との連携を強め、主体的に参加していきたいと思う。
会員の皆さんには、支部・専門部から参加者を出してもらい、力を貸してもらうことになるが、大会の趣旨と意義を十分に踏まえ、理解をいただければありがたい。
また、胆振・苫小牧大会では、第4分科会「知性・創造性」の中で、経営研修部に発表をしてもらう。よろしくお願いする。
▼第73回指定都市小学校長会研究協議会千葉大会について
31年11月14・15日の2日日程で、第73回指定都市小学校長会研究協議会千葉大会が開催される。昨年度開催された名古屋大会の成果と課題を受けての、千葉市での開催となる。大都市が共通して抱える諸課題、働き方改革への対応、新学習指導要領移行への対応、人事面での状況など、様々な情報を得て、札幌にもち帰り各学校に還元したいと考えている。
参加者は校長会事務局からであるが、次年度以降の市小の活動に還元できるようなメンバー構成で参加する。なお、本年度は分散会での発表の割当はなく、交流会の中で札幌市の紹介をすることになっている。
▼今後の校長会の方向性について
校長会の組織の在り方については、昨年度、組織運営検討委員会で検討を進めてきた。本年度は、研究部および共同研究推進委員会で2年間検討してきた研究体制の在り方について全体で論議し、次年度以降の専門部体制について明らかにしていく。同時に全連小とのつながりと、道小との連携協力を維持しつつ、会員の負担軽減につながる具体的な提案ができるよう検討する。
また、本年度も校長会は、市教委との連携強化を目指していく。昨年度は、新学習指導要領実施に向けての時数増や、「置く勉」「運動会午前開催」など様々なテーマについて、市小役員と市教委の担当者が直接、情報共有および意見交換を行う機会をもった。また、各専門部の研修、あるいは支部のミドルリーダー研修などにおける講師の依頼、あるいは意見交換などの場も多様になってきた。本年度も、様々な機会を生かし、市教委との一層の情報共有と連携強化を図っていく。
▼結びに
あと2週間後に改元が行われ、平成から令和へと時代が変わる。後世の人々に、平成の30年間はどんな時代だったと総括されるだろうか。
平成7年の阪神・淡路大震災、平成23年の東日本大震災をはじめ多くの災害に見舞われ、また、社会や経済が「失われた〇〇年」と形容したように、決して日本にとって恵まれた時代ではなかったのかもしれない。しかし、その混とんと試行錯誤の中から、未来社会に向けてこれからの子どもたちに本当に育てるべき力は何なのかを見据えた新学習指導要領が告示され、私たちは今、粛々とその全面実施に向けて準備を進めている。
不易と流行の2つの観点から、これからの学校の果たすべき課題の解決を見通し、また、連帯と協調のもと情報共有と研鑚を重ね、一層活力ある校長会を目指していきたい。
(関係団体 2019-04-19付)
その他の記事( 関係団体)
胆振管内校長会が総会開く チーム学校で改善・充実 道小胆振・苫小牧大会成功を
【室蘭発】胆振管内校長会は11日、むろらん広域センタービルで31年度総会を開いた。本年度の事業計画や活動重点のほか、各部の活動方針、活動計画を決定。役員改選では、会長に苫小牧市立沼ノ端小学...(2019-04-19) 全て読む
胆振管内教頭会が総会開く 新会長に後藤氏選任 8月6日、夏季研究大会
【室蘭発】胆振管内教頭会は12日、むろらん広域センタービルで31年度総会を開いた。夏季研究大会の開催などを盛り込んだ本年度の事業計画や会計予算案を決定。役員改選では、苫小牧市立清水小学校の...(2019-04-19) 全て読む
石教研の役員研修会・定期総会 新会長に小笠原校長(千歳市青葉中) 全員で協働研究研究を創り上げる
石狩管内教育研究会(=石教研)は11日、北広島市内の石狩教育研修センターで31年度役員研修会・定期総会を開いた。30年度の運営を総括したほか、本年度の運営に関する基本計画や活動日程を協議。...(2019-04-19) 全て読む
宗谷校長会31年度総会・研修会 使命自覚し指導力発揮 役員改選 大島会長を再任
【稚内発】宗谷校長会は16日、宗谷合同庁舎で31年度総会・研修会を開いた。本年度の運営方針や活動の重点などを審議。校長としての使命を自覚し指導力を発揮して、学校・家庭・地域が一体となった宗...(2019-04-19) 全て読む
オホーツク小中学校長会が総会 新会長は潮田校長に 8月、北見で研究大会開催
【網走発】オホーツク管内小中学校長会は13日、網走セントラルホテルで31年度総会を開いた。活動方針や各部事業計画を決定。8月に北見市内で第47回研究大会を開催することとした。役員改選では、...(2019-04-19) 全て読む
札幌市小学校長会が総会・研修会 連帯・協調し情報共有 リーダーシップ発揮を―長谷川教育長
札幌市小学校長会は17日、ホテルライフォート札幌で4月総会・研修会を開いた。明園小の佐藤裕三校長を会長とする役員体制のほか、共同研究主題「未来を創造する札幌人を育成する豊かで確かな小学校教...(2019-04-19) 全て読む
旭川市小中学校教頭会が総会 新会長に佐藤氏(朝日小) 7月に上川管内教頭会と合同研
【旭川発】旭川市小中学校教頭会は11日、上川教育研修センターで31年度総会研修会を開いた。80人が出席し、31年度活動方針、事業計画などについて協議。役員改選では、新会長に朝日小学校の佐藤...(2019-04-19) 全て読む
釧路校長会全体会議で武山会長 後継者の育成に力を 働き方改革 課題先送りせず
【釧路発】釧路校長会は16日、釧路センチュリーキャッスルホテルで全体会議を開いた。3月の総会で決定した新役員を紹介し、新会長に就任した釧路町立富原中学校の武山昇校長があいさつ。情報交流に努...(2019-04-19) 全て読む
帯広市教育研究会が総会など 新会長に橋場校長選出 9月3日教育講演会
【帯広発】帯広市教育研究会は12日、帯広市内のソネビルで第53回総会・研修会を開いた。本年度の運営計画などを審議したほか、役員を改選。帯広市立啓西小学校の橋場仁校長を新会長に選出した。橋場...(2019-04-19) 全て読む
後志小中学校教頭会が総会 新会長は京極中・佐々木氏 法規・法令の研修推進
【倶知安発】後志小中学校教頭会は12日、倶知安町内のホテル第一会館で31年度総会を開いた。学校運営研修会・ブロック研修会、法規・法令にかかわる研修の推進などを盛り込んだ活動計画を決定。任期...(2019-04-19) 全て読む