「Scratch」用い演習 ビジュアル型で体験 道研で 5年生算数の模擬授業(道・道教委 2019-05-15付)
1人1台パソコンを操作し、プログラミング授業を体験した
道立教育研究所が13日に同所で開いた小学校のプログラミング教育充実研修「自校に応じたプログラミング教育の進め方」では、宮城教育大学の安藤明伸教授を講師に、プログラミング言語「Scratch」を用いた授業の演習などを行った。参加者は、プログラミング教育導入に向けて実践力向上を目指した。
安藤教授の講義のあと、所員によるScratchの使い方についての演習を実施。ブロックで表示される命令を組み合わせるだけでキャラクターなどを動かすことができる、ビジュアル型のプログラミングを体験した。
これを踏まえて、安藤教授が「プログラミング教育の実際」と題し授業を想定した演習を展開。Scratchを用いた5年生の算数における正多角形の模擬授業を行い、指導法やねらいなどを解説した。
プログラミングへの抵抗感を払拭することをねらった導入として、「先生を動かして正方形を書かせよう」というコンピューターを使わない活動を紹介。必ず同じ結果になるにはどのような指示が必要か、正確に動かすことがいかに難しく表現が多様であるかを理解する原体験を提示した。
Scratchの操作に入り、「〇歩動かす」「〇度回す」などの命令ブロックを使って一筆書きで正方形を書くプログラムを作成。「ペンを下ろす」という命令を追加しなければ図形が表示されないことや、組み合わせを変えると違う結果になってしまうことなど、プログラミング特有の要素を実感できるような働きかけを行った。
続いて、同じ命令が繰り返されているプログラミングについて着目し、命令「〇回繰り返す」を用いて置き換える作業を行った。安藤教授は「パターンを見つける瞬間が大事」と強調。パターンの一部を変えることでどんな正多角形にも応用できることに気づかせることの大切さを説いた。
また、発展的な学びとして、手書きでは難しい正360角形のプログラムを作成。いろいろな試行を重ねることができるコンピューターでのプログラミングの良さに気づく展開も示した。
このあと、センサーなどを用いて電気の働きを制御する理科のプログラミング授業について演習を行ったほか、安藤教授と所員によるトークセッションを実施。個々の課題や演習で明らかになったポイントなどを協議し、プログラミング教育の推進に向けて、学校で組織的に取り組むための方策を考えた。
また、どの学年のどの教科でプログラミング教育を導入できるか、自校の実態に応じて整理する演習も行った。
(道・道教委 2019-05-15付)
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