道研がプログラミング教育研修 導入へ実践力を向上 小学校必修化に向け新規開設(道・道教委 2019-05-15付)
講師の安藤教授がねらいなどを説明した
道立教育研究所は13日、同所で小学校のプログラミング教育充実研修「自校に応じたプログラミング教育の進め方」を開いた。2020年度からの小学校におけるプログラミング教育必修化に向けて、本年度新たに開設した研修講座。『小学校プログラミング教育の手引』作成に携わった宮城教育大学の安藤明伸教授を講師に迎え、プログラミング教育の在り方についての講義や、プログラミング言語「Scratch」を用いた授業の演習などを通して、プログラミング教育導入に向けた実践力などの向上を目指した。=関連記事2面=
プログラミング教育のねらいや進め方についての理解を深め、自校への導入の方策を考えることが目的。小学校・特別支援学校教諭ら39人が参加した。
はじめに、研修に当たっての課題を明確化・共有することをねらって、プログラミング教育導入に向けた個々や学校としての課題を確認し、グループに分かれて情報交換。授業での具体的な進め方や指導法などのカリキュラム上の課題のほか、端末やアプリの選択、使い方をはじめとする教材の悩みなどの意見が挙がった。
続いて、安藤教授が「プログラミング教育の在り方」と題して講義。プログラミング教育のねらいやプログラミング的思考の定義など、プログラミング教育の基本について説明した。
小学校新学習指導要領の総則において、プログラミング学習が「各教科などの特質に応じて計画的に実施する」とされていることにふれ「プログラミング教育は、すべての学習の基盤」と強調。特定の教科で行うのではなく、すべての教科で扱うことが求められていることを示した。
プログラミング教育のねらいとして、プログラミングの体験を通し、①「プログラミング的思考」を育むこと②プログラムの働きや良さなどのへの「気づき」を促し、コンピューターなどを上手に活用して問題を解決しようとする態度を育むこと③各教科などの内容を指導する中で体験を行う場合には、各教科などの学びをより確実なものとすること―の3点を提示。これらを実現するためには、バランスの取れた体系的なカリキュラムを立案する必要性を説いた。
また、コンピューターにはプログラムで指示されたとおりに実行し、指示されないことは実行しないなどといった特徴があることを説明。文脈や行間を読むことに依存しがちな日本人のコミュニケーションとの違いにふれ、プログラミング的思考が生徒への指示を出す際においても有効であることを指摘した。「伝わらない相手に対して、自分の思考をどこまで分解できるかということがプログラミング的思考。これまでやってきたことを、もう一度客観的に理解する機会になるのでは」と投げかけた。
最後に、感覚的な理解や直感的な認知などの意味をとらえ直し、誰でも同じ結果になるように表現するデジタルな言語活動の充実を図り、プログラムの良さに気付けるような教師の働きかけの重要性を説いた。
(道・道教委 2019-05-15付)
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