魅力的な職場環境を　阿部会長あいさつ概要　道公立学校事務長会総会

（関係団体 2019-05-23付）

阿部雅一会長

　平成３０年度の事務長会は、事業計画に基づき、会員の資質向上、関係機関への要望ならびに学校事務が直面する諸課題に取り組み、着実に前に進むことができた。本年度の課題も含め、３点申し上げる。

▼人材育成に関する取組

　本年度４月当初人事において、新任事務長は２２人。うち、１０人が事務主任からの昇任となっている。また、事務主任未配置については、規模の大きな学校においても生じ、ますます事務長の負担が増すことは容易に推測することができる。

　引き続き、事務長、事務主任候補者の育成が急務であることは何も変わっていない。新任事務長および部下職員の資質向上を図っていくことも含めて、より具体的な取組を推進する。

　人材の育成には、何よりも現にある職や職場に魅力があることが大切である。会員には、部下職員とのコミュニケーションや適切な指導助言などを通して、職場環境を魅力的なものに変えていく日常的な取組をお願いする。

▼事務改善

　前年度、「道立学校事務改善に関する提言」をもとに、道立学校事務改善検証会議が上川管内と日高管内において実施された。事務処理の効率性やスケールメリットだけでなく、学校事務職員の人材育成も考慮しながら業務分担の見直しについて検証された。

　本会議については、学校事務の将来を決定づける重要な取組であり、将来を見据えて、後戻りすることなく、今後も重点的な課題ととらえ、本部調査研究部を中心として、効率化・省力化を図るための研究を続けていきたい。

▼会員事務の適正執行

　私費会計については、これまでも私費会計事務処理要領等で規定されている相互けん制・内部けん制の仕組みを用いながら、適正執行に取り組んできた。

　道立学校においては、平成３１年３月に新たに『道立学校私費会計事務処理マニュアル』が発行され、事務処理手順の再確認や相互けん制・内部けん制の徹底によって会計処理の適正化や透明化を図ることが示された。

　学校では、会計に不慣れな教員が会計担当者になっているケースもあり、指導も含めマニュアルに沿った会計処理による金銭事故の防止の取組をお願いする。

　北海道における教育行政や学校を取り巻く環境の変化は著しく、課題は山積している。事務長会としては、道教委や道高校長協会、道特別支援学校長会をはじめとする関係諸団体と連携し、課題に取り組むとともに、会員の意見を聞き、学校現場の現状や思いをしっかりと伝えていくことが重要である。

　各会員には時代の変化をとらえ、事務長の専門的知識を十分発揮し、教育分野全体を見通した学校運営に取り組むようお願いする。

　道公立学校事務長会は２０日から２日間、ホテルライフォート札幌で第４４回総会・研究協議会を開いた。９月に第３７回道公立学校事務長研究協議会を開催することなどを盛り込んだ事業計画を決定。役員改選では、新会長に札幌養護学校の坂井秀昭事務長を選出した。坂井新会長は「会員と協力しながら全力で職務を遂行したい」と抱負を語った。

(関係団体 2019-05-23付)