道教委の教育行政執行方針 幼児教育推進など重点 働き方改革 着実に実施(道・道教委 2019-06-21付)
執行方針を説明する佐藤教育長
道教委の佐藤嘉大教育長は20日、2定道議会の開会に当たり教育行政執行方針を説明した。学力・体力の向上をはじめとする教育施策の展開とともに、子どもたちに求められる資質や能力を社会と共有し、地域の発展を支える人材育成に取り組む意向を表明。重点政策として「社会で活きる力の育成」など5点を提起し、幼児教育推進センターを拠点とした幼児教育の施策の推進、学校における働き方改革「北海道アクション・プラン」に基づく取組を着実に推進することを表明した。
佐藤教育長は、どの地域でも子ども一人ひとりの可能性を最大限に伸ばすことができる質の高い教育を提供できるよう、学力・体力の向上をはじめとする教育施策の展開に努めるとし、地域の発展を支える人材を育成するため、子どもたちに求められる資質や能力を社会と共有し、教育行政の推進に取り組むとした。
本年度の重点政策として、①社会で活きる力の育成②豊かな人間性と健やかな体の育成③学びを支える家庭・地域との連携・協働④学びをつなぐ学校づくりの実現⑤学びを活かす地域社会の実現―を提示。
①では、6月に新設した幼児教育推進センターを拠点に、関係団体などと連携し、研修や助言の機会の充実、小学校教育との連携・接続の促進など幼児教育振興施策を推進。教育の情報化については、小学校でのプログラミング教育の円滑な導入に向けた研修会を開催するなど、教員の指導力の向上を図る。
小学校で英語担当教員の巡回指導や英会話体験など、小・中・高校で英語力向上に向けた取組を推進し、ロシア・サンクトペテルブルク市など交換留学の対象地域の拡大を図る考えを示した。
②では、道徳教育の指導方法に関する研修会の開催や道徳教材の効果的な活用、いじめの防止や不登校児童生徒への支援、SNSの活用など、多様な相談体制の整備・充実などに取り組むことを表明。体力向上に向けては、学校・家庭・地域・行政が連携して運動意欲の向上に関する実践研究を行う子どもの体力向上ボトムアップ事業の展開を掲げた。
③では、コミュニティ・スクールの導入や地域学校協働活動の促進を挙げた。また、知事部局、市町村、民間団体などで構成する協議会において、本道における夜間中学の在り方を検討する。
④では、教員育成指標に基づく体系的・効果的な教員研修を実施するなど、教員養成大学と連携して養成・採用・研修を通じた一体的な改革を推進。学校における働き方改革「北海道アクション・プラン」に基づく取組を着実に推進するとし、校長経験者や民間コンサルタントを活用した業務改善など、持続可能な学校運営体制の整備・充実を進める。児童生徒の安全の確保については、地域と連携した防災教育の一層の充実を図り、関係機関と連携して通学路などの安全対策の徹底に取り組む。
⑤では、本年度認定された「炭鉄港」を含む日本遺産の活用に向けた取組の支援、本道全体をアートの舞台とするアートギャラリー北海道の充実を挙げた。
文部科学省は、国立大学における今後の改革の方向性と論点を示した「国立大学改革方針」を策定した。取り組むべき方向性として、徹底的な教育改革など7点を提示。今後、改革の方向性を文科省・国立大学間で共有し、徹底した対話を通じて、国立大学の改革を推進していく。
国立大学改革方針は、令和4年度から始まる第4期中期目標期間に向け、中央教育審議会答申「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」で示されている高等教育が目指すべき姿を踏まえ、今後の改革の方向性と論点を提示したもの。第3期中期目標期間後半の取組の加速と第4期中期目標・中期計画の策定に向けた議論のキックオフとして改革の方向性と論点を示している。
方針には、これからの社会の姿・国立大学の機能と役割を明記。高等教育のグローバル化など、急変する社会情勢を踏まえ、持続可能でインクルーシブな社会や多様性にあふれる社会を目指す必要性を記した。
具体的に取り組むべき方向性として、①徹底的な教育改革②世界の「知」をリードするイノベーションハブ③世界・社会との高度で多様な頭脳循環④地域の中核として高度な知を提供⑤強靱なガバナンス⑥多様で柔軟なネットワーク⑦国立大学の適正な規模―の7点を提示。各国立大学との徹底した対話を通じ、各大学の特色・機能のさらなる発展・明確化を図る。
文科省は、第4期中期目標期間に向けて、様々な取組を実現するための戦略的な資源配分や、運営費交付金算定におけるアウトカム指標の開発と活用などの手厚い支援と厳格な評価の徹底を図る。また、指定国立大学法人のさらなる規制緩和と財源の多様化や、積極的な資産活用、留学生授業料弾力化等のための規制緩和などを図っていく。
(道・道教委 2019-06-21付)
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