建設技術担い手育成PT ICT施工技術を紹介 札工高生対象の出前授業(学校 2019-07-01付)
UAVの飛行デモを見学する生徒たち
日本建設機械施工協会道支部(熊谷勝弘支部長)、道建設部、開発局で構成する建設技術担い手育成プロジェクトチームは6月26日、札幌工業高校(猪股康行校長)でICTを活用した建設技術の出前授業を開催した。同校土木科2年生80人を対象に、ドローン(UAV)の飛行デモ、建設VR体験などを実施。生徒は最先端のICT施工技術にふれ、生産性向上に取り組む建設産業について、理解を深めた。
プロジェクトチームによる出前授業は、高校生などを対象に官民の取組で前年度スタート。
最先端のICT技術を紹介することで、建設業のイメージアップや進路選択の参考にしてもらうことを目的としている。
プロジェクトリーダーを務める鈴木勇治氏は授業を通じ、「測量機器などがデジタル化している業界の現状を、認識してほしい。建設業の新たな魅力を知ることによって、進路選択の参考にしてもらえれば」と訴えた。
講義では、㈱シーティーエスの酒井満氏が「ICTを活用した測量技術」と題し、TLS機器の機能や作業の効率性について解説した。
長野県に本社のある同社は、建設ICTをシステムと測量計測で企業支援することを主な業務としている。
同社でi―Con営業推進チームの課長を務める酒井氏は、ICT機器の機能をパワーポイントで詳しく説明。「ICT機器を活用するには、高校で学ぶ三角関数などの知識や感覚が重要となってくる。授業をしっかりとこなしてほしい」と伝えた。
生徒たちは座学のあと、グループに分かれて、UAV飛行デモの見学や建設VR、最新測量機器の計測、小型バックホウの操作を体験。最先端のICT機器にふれ、建設産業への興味を深めた。
今回、出前授業の行われた札幌工業高では、建設団体と協力し、現場見学会や企業のインターンシップに精力的に取り組んでいる。
建設業に対する生徒の関心は高く、それは入職後3年以内の離職率にも数字になって表れている。工業高校の離職率全国平均約20%に対し、同校の直近の調査では、10・4%と大きく下回っている。
出前授業を参観した小野博道副校長は「就職前に実際の建設現場を生徒に意識させる貴重な機会」と話し、プロジェクトチームの取組に感謝していた。
なお、プロジェクトチームは本年度、工業高校7校と高専1校で出前授業を開催。
札幌工業高は3校目の実施校で、7月は苫小牧高専で開催を予定している。
(学校 2019-07-01付)
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