道教育大附属札幌中が研究大会　他の意見取り入れ問題解決

（学校 2019-08-01付）

佐藤教諭は、利便性と安全性の側面からコンテンツを改善・修正させた

　道教育大学附属札幌中学校（佐々木貴子校長）は７月２６日、同校で令和元年度教育研究大会を開いた。新研究主題「自ら判断・行動し、未来の創り手となる個の育成」のもと、国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、技術・家庭、英語の１５授業を公開。３年技術・家庭科技術分野の授業では、自己分析のみならず、他者からの意見を取り入れて問題解決に向かう授業を披露した。

　本年度から新研究主題に「自ら判断・行動し、未来の創り手となる個の育成」を設定。研究の重点を「学びに対する主体性に着目した授業を通して」として、研究を進めている。

　１次、２次合わせて１５の授業を公開した。

　このうち、３年Ａ組の技術・家庭科技術分野「利便性と安全性に配慮した双方向性のあるコンテンツ」（佐藤敦教諭、生徒数３５人）は１０時間扱いの７時間目。本時の目標を「コンテンツを利便性と安全性の側面から評価し、制作したコンテンツの問題点をみいだし、よりよいものになるように改善・修正しようとする」と設定した。

　前時までプログラミングソフトの利便性や安全性を向上するコンテンツを各グループで開発している。

　佐藤教諭は、利便性を重視することで不正利用が発生した事件を紹介。利便性と安全性の重要性について考えを深めさせた上で、各グループが開発したコンテンツを交流させた。

　生徒は自分たちが開発したコンテンツを発表。また、他グループの発表を聞き、安全性と利便性の観点から「誹謗中傷をさせないためのプログラミングがすごい」「×××と表示されると悪口を書かれたことが相手に伝わる」「ボタンによってスタンプが変わるのが面白い」などと付せんに書き、ボードに貼った。

　他グループの意見や発表をもとに、プログラムの修正・改善を検討させた。「パスワードを３回間違えると使用できなくする」「文字情報だけではなく、キャラクターも動かしたい」「コメントを見やすくする」と発表するなど、生徒たちは自己分析のみならず、他者からの意見も取り入れ、より安全性と利便性を踏まえたコンテンツとなるように取り組んだ。

　札幌市教委研修担当課の岩渕浩憲研修担当係長は授業について、生徒たちが利便性と安全性という相反する要求の折り合いをつけて解決策を考えていたことにふれ「新学習指導要領の趣旨を理解し、具現化した授業だった」と話した。

(学校 2019-08-01付)