道町村教委連文教要望に対する道教委回答〈下〉
(道・道教委 2019-08-27付)

【生涯学習・社会教育の振興・充実】

▼生涯学習の振興

▽生涯学習を推進するため、各種施策の充実を図っていただきたい。

〈回答〉

 道教委としては、道民の生涯学習の意識や状況などを把握し、本道における今後の生涯学習の推進の指針として平成27年2月に策定した第3次道生涯学習推進基本構想で示している3つの重要な視点「道民の学びを行動へつなげる」「子どもたちの学びを広げ、支える」「地域のよさや課題を学ぶ」を踏まえながら、第14期生涯学習審議会によって今後の北海道における生涯学習推進について審議するとともに、道生涯学習推進本部を中心に、第13期生涯学習審議会の「審議のまとめ」でいただいた意見をもとに、市町村、民間・NPOなどとの連携をより深めながら、道民カレッジや社会教育施設の実施する指導者養成事業など、各種施策の充実を図り、さらなる生涯学習推進に向けた環境整備に取り組んでいきたい。

▽学校図書の整備充実に加え、新聞を十分に配備できるよう、また、学校図書館司書の配置について、交付税措置の継続・増額について国に要望いただきたい。

〈回答〉

 平成30年3月に学習指導要領が改訂され、より主体的・対話的で深い学びの実現に向け学校図書館の期待される役割が増す中で、「学校図書館図書整備等5か年計画」において、小・中学校の学校図書館における図書整備、新聞配備および学校司書の配置にかかる地方財政措置が29年度から拡充された。

 道教委は、これまでも、学校司書の定数措置の新設および配置にかかる地方財政措置の拡充などについて国に要望してきた。

 今後とも学校司書の配置をはじめ、学校図書館の環境整備については、各市町村の実情を踏まえながら、国に要望していきたい。

▼地域文化の振興

▽文化財保護のため国庫補助事業計画の完全採択および国庫補助の増額を図るよう国に要望していただきたい。

〈回答〉

 国民共有の財産である文化財は、つぎの世代へ適切な形で保存・伝承していくべきものであるため、その保存と活用にかかる国庫補助事業計画の完全採択などについて、要望の趣旨を踏まえ、国に働きかけていきたい。

▽埋蔵文化財発掘調査費用の国庫補助制度の改善および専門職員の配置についての財政的支援を国に要望していただきたい。

〈回答〉

 これまでも、道の「国の施策および予算に関する提案・要望」において、専門職員の法的位置付けを明確化する必要があることなどについて、国に要望してきた。引き続き、国に要望していきたい。

▼社会教育指導体制の強化

▽社会教育主事の専任配置については町村においても努力しているが、生涯学習推進のため、また、今後のコミュニティ・スクール(CS)制度を考慮し、学校教職員の社会教育主事資格取得についてお願いするとともに、当面は派遣社会教育主事(スポーツ担当を含む)制度の継続をお願いしたい。

〈回答〉

 平成27年12月の中教審答申では、CSを核として地域とともにある学校づくりを一層推進するためのCS制度において、学校と地域の人々が子どもたちの教育について目標を共有し組織的な体制を構築する必要があり、学校と地域をつなぐ役割を担うコーディネート機能の充実が重要であると示されている。

 コーディネート機能の役割を果たす社会教育主事の活用も期待されていることから、道教委では、文部科学省の委嘱を受けて社会教育主事講習を実施している道教育大学に対して、教職員が受講しやすい環境の整備について要請するとともに、札幌会場以外で受講できるサテライト会場の設置を進めている。

 また、各市町村教委と連携して教職員に対し社会教育主事講習の積極的な受講について働きかけていく。

 派遣社会教育主事(スポーツ担当を含む)については、道教委としても、市町村の社会教育推進体制の整備への支援のほか、青少年の体験活動の充実、家庭教育への支援など、今日的な課題などに対応するため、当面、継続していきたい。

 なお、道教委に在籍する社会教育主事は、年々減少傾向にあるとともに、市町村の人材や施設などの地域資源を近隣市町村と共有するなどの取組が必要となってきていることから、今後とも、広域的な社会教育を推進する意向のある市町村を優先して派遣を行っていきたい。

【いじめ・不登校対策】

▽スクールカウンセラーの配置について、スクールカウンセラー活用事業のより一層の拡充を図っていただきたい。

〈回答〉

 スクールカウンセラーの配置については、国のスクールカウンセラー等活用事業(国庫補助事業)を活用し、心理に関する専門的な知識や経験を有する人材を札幌市立を除く小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校、高校および特別支援学校を対象に配置している。

 道教委では、学校や地域の状況などを考慮して、スクールカウンセラーが効果的な支援を行うことができるよう、各市町村教委や学校の要望などを踏まえ、単独校配置や拠点校配置、巡回配置を行っている。

 また、スクールカウンセラーが定期的に配置されない学校に対しては、災害や事故等のため、緊急に児童生徒の心のケアなどが必要となった場合や、校内研修会や児童生徒・保護者等を対象とした授業・講演などをスクールカウンセラーの協力によって実施する場合には、各市町村教委や学校の希望などに基づき、随時派遣することとしている。

 道教委としては、スクールカウンセラー活用事業は、学校の教育相談体制の充実を図る上で重要な事業であると考えており、引き続き、国に対して制度の充実を働きかけていきたい。

【NHK受信料免除措置の継続】

▽学校での放送教育の利用は多く、その教育効果も極めて高いものがあるので、教室などの放送受信料免除措置について継続されるよう、日本放送協会に対して働きかけていただきたい。

〈回答〉

 日本放送協会(NHK)の放送受信料の免除措置については、義務教育諸学校における教育内容の一層の充実・向上と放送教育の普及・拡大の観点から、これまで、国に対して要望してきている。今後とも、NHKの動向を注視しながら、引き続き国に対し、NHKへの働きかけについて要望していきたい。

(道・道教委 2019-08-27付)

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