道南ブロック教育長研修会　ＩＣＴ教育の展開学ぶ　歴史通し郷土愛育む取組も

（関係団体 2019-08-29付）

タブレットでアプリを操作する参加者

　【函館発】道南ブロック教育長研修会が２１日から２日間、函館市内の湯川観光ホテル祥苑などで開かれた。渡島・檜山・胆振・日高管内の教育長３２人が参加。今後のＩＣＴ教育の展開や、郷土愛を育む地域の歴史に関する講話を通して、教育行政の充実に向け見識を深めた。

　道南各市町教委の教育長相互の連携を密にし、教育行政の諸問題などへの理解を深め、教育委員会の円滑な運営と教育行政の充実に資することが目的。　

　初日は開会式のあと、函館市内のＩＣＴ活用教室「Clever　Ｋids」代表の熊谷光洋氏と中塚建設＝（福島町）社長で福島町史研究会会長を務める中塚徹朗氏が講話を行った。

　熊谷氏は「これからのＩＣＴ教育の展望」と題し、プログラミング教育について説明した。

　新学習指導要領の実施やSociety５・０への対応として、「子どもの育成で求められているのは、プログラミングする能力ではなく、プログラミング的思考」と指摘。①必要な動きを考える②対応したプログラムを組む③組み合わせる―の３つを通して問題の解決に向けて思考・活動することが、プログラミング的思考の育成につながるとし、これらを踏まえた授業づくりの必要性を訴えた。

　このあと、実際に「Clever　Ｋids」で使用しているアプリケーションを体験。簡単なパズルやロボットへの指示をプログラムするなど、複数の動きを組み合わせる楽しさや考え方を学んだ。

　熊谷氏は、「地域によってプログラミング教育の指導に差異がある」との現状を示した上で、「校長、学校の意識を変えるのが教育長。各地域の指導力に差が出ないようにしてほしい」と求めた。

　中塚氏は、伊能忠敬や榎本武揚、土方歳三、間宮林蔵らが足跡を残した古道をめぐる「殿様街道探訪ウォーク」の取組を紹介。ガイドを務めるときと同じちょんまげ姿で登壇した中塚氏は「数年前まで伊能が同町吉岡地区から日本地図の測量を始めたという史実を地元の中学生が知らなかったが、現在では多くの子どもたちに認知され始めている」とし、子どもたちの郷土愛を育むために、史実をしっかりと伝えていくことの重要性を訴えた。

　２日目は、函館少年刑務所の見学などを行った。

(関係団体 2019-08-29付)