函館教育経営研究所が夏季講演会　働き方改革の対応学ぶ　八雲町教委・田中教育長ら招き

（関係団体 2019-09-05付）

これからの教育について理解を深めた

　【函館発】函館教育経営研究所（小笠原愈所長）は８月中旬、ホテル法華クラブ函館で夏季教育講演会を開いた。渡島・檜山・胆振管内から約５０人が参加。学校における働き方改革や道徳教育、特別支援教育の充実などに関する講演を通して、課題解決への対応策などを学んだ。

　講演会は毎年、夏季・冬季に実施。管理職やミドルリーダーとしての資質向上や学校経営、学校運営の改善・充実、今日的課題への対応などについて学ぶことを目的にしている。

　小笠原所長があいさつ。日ごろの学校経営や学校運営への尽力、今日的な教育課題の解決に向けた実践や意欲的な研修に謝意を示した。講演テーマや講師の経歴を紹介し「多くのことを学び、日々の実践に生かしてほしい」と期待を寄せた。

　八雲町教委の田中了治教育長が「学校経営改善の今日的課題」、道教委の上林宏文教育指導監が「北海道の特別支援教育の改善、充実に向けて」を演題に講演した。

　田中教育長は、働き方改革における今後の対応策にふれ、社会に開かれた教育課程実現の必要性を強調し、学校における活動や職務内容を見直すよう求めた。また、道徳教育の充実について解説した。

　まとめでは「教師が自身の力を高めていくことが、子どもが自ら意欲のつぼみを開いていくことにつながる」と呼びかけた。

　つぎに、上林教育指導監が登壇。本道に求められる特別支援教育の実践課題として、個別の指導計画の作成・活用と自立活動の充実を挙げた。

　個別の指導計画の作成・活用について、具体的な指導計画の作成事例を提示し、指導目標と評価・指導内容、家庭との連携を進めるよう要請。「一人ひとりの障がいに応じた指導の手立てへの配慮を計画に盛り込むことが重要」とした。

　共生社会の形成にふれ、２０２０東京オリンピック・パラリンピックを契機とした障がい者スポーツの推進や、交流・共同学習などにおける障がい・障がい者理解の推進の重要性と取組への理解を求めた。

　聴講した函館市立旭岡小学校の西口昌司校長は「教師が自発的に動く組織が子どもの自発性を伸ばすことにつながることが分かった」と述べ、今後の学校経営へ意欲をみせていた。

(関係団体 2019-09-05付)