豊かな後期中等教育保障を 高・特配置計画決定を受け声明 北教組(関係団体 2019-09-06付)
北教組(信岡聡中央執行委員長)は3日、道教委の公立高校配置計画および公立特別支援学校配置計画の決定に対する声明を発表した。高校配置計画について「再編統合・学科転換などによって機械的な間口削減を強行するもの」、特別支援学校配置計画については「特別支援学校への入学希望を年々増加させ、分離・別学を一層進めるもの」と批判。「一人ひとりの子どもたちの要求に応える豊かな後期中等教育」を保障する運動の強化を表明した。声明の概要はつぎのとおり。
道教委は9月3日、2020年度から3年間の公立高校配置計画と2020年度および2021年度以降の見通しを示した公立特別支援学校配置計画を公表した。
公立高校配置計画は、2020~2021年度に39校で40学級減(前年度決定)を行う上で、①2021年度に伊達(3学級)と伊達緑丘(4学級)を再編統合し新設校(6学級)を設置する②すでに1学級減が決定している中標津と苫小牧工業(定時制)で学科転換を行う③福島商業(地域連携特例校)の再編整備を留保する―など6月の計画案どおり決定した。
また、計画決定時に公表するとしていた入学者選抜後に1学級相当以上の欠員が生じ学級減となった26校については、長沼など14校が1学級復活したものの、芦別、札幌南陵、札幌東豊、野幌、千歳北陽、八雲、檜山北、上川、名寄、浜頓別、弟子屈、羅臼の12校は1学級減のままとした。このことによって、羅臼は2020年度から地域連携特例校の導入が決定し(中標津が協力校)、八雲は2021年に計画されていた1学級減が1年前倒しとなった。
今回復活されなかった12校のうち学年1学級となる上川、浜頓別、弟子屈は、今後、存続に向けて一層努力を強いられることとなる。また、羅臼については、ここ数年「町内の中卒者数の状況等を総合的に勘案し」複数学級を確保してきたものの、1学級減と地域連携特例校の導入が決定したことによって、今後の学級増の可能性は極めて低くなった。
これらは、「1学年4~8学級」を適正規模としたこれからの高校づくりに関する指針に基づき、中卒者数を口実に再編統合・学科転換などによって機械的な間口削減を強行するものであり、断じて容認できない。
道教委はこの間、子どもたちへの高校教育の保障を放棄し、生徒数を確保できないことをもって教育機能の低下として再編統合を進めてきた。また、地域連携特例校の再編留保の要件である「所在市町村をはじめとした地域における、高校の教育機能の維持向上に向けた具体的取組とその効果」を地域・学校に求め、無用な競争をあおり続けてきた。
また、学級数の決定を9月まで先延ばしすることは、子どもや保護者に不安を与え、混乱を生じさせるものである。
公立特別支援学校配置計画は、2020年度について、6月の配置計画案で2学級減としていた東川養護と真駒内養護の普通科(重複)学級を1学級減へと修正し、全しょうがい児学校61校で、前年度より定員が1人増の1754人となった。
また、知的障害特別支援高等部の配置の見通しでは、2022年度に道央圏で6学級相当の定数増を検討するとしており、文科省・道教委の特別支援教育の名のもとに進める差別・選別の施策は、中卒者数が減少傾向にもかかわらず特別支援学校への入学希望を年々増加させ、分離・別学を一層進めるものとなっている。
道教委は、「分けることは差別につながる」とした国連障害者権利条約の理念に基づき、希望する子どもたちの地元の普通高校への進学を保障するため、すべての学校において合理的配慮などの教育条件整備を早急に進めることが、果たすべき最大の役割である。
本配置計画は、地域の経済と文化の衰退を招くとともに、遠距離通学者や保護者の経済的負担の増加など、貧困と格差を拡大させるもので断じて容認できない。
私たちは引き続き、子ども・保護者・地域住民の高校存続を求める声を結集し、指針、配置計画の撤回・再考を求めるとともに、希望するすべての子どもがしょうがいのある・なしにかかわらず地元で学べる地域合同総合高校の設置など、一人ひとりの子どもたちの要求に応える豊かな後期中等教育を保障するための道民運動を一層強化していくことを表明する。
(関係団体 2019-09-06付)
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