札生総連の第26回研究大会 学びの実感へ研究深化 札幌市大谷地小が3授業公開
(関係団体 2019-09-09付)

 札幌市生活科・総合的な学習教育連盟(=札生総連、齊藤隆浩委員長)は4日、市立大谷地小学校で第26回札幌市生活科・総合的な学習教育研究大会を開いた。生活科と総合的な学習の時間合わせて3授業を公開したほか、分科会を実施。さらなる研究の深化に向け、研鑚を積んだ。

 札生総連は研究主題を「自分の学びを実感し、未来を拓く子どもの育成」と設定。研究内容として生活科では、①思いや願いが高まる体験活動と表現活動の構成②気付きの質が高まる教師のかかわり―の2点、総合的な学習の時間では、①自ら探究を進めていく体験活動と言語活動の構成②一人ひとりの探究を支える教師のかかわり―の2点とした。

 授業公開後の全体会では齊藤委員長があいさつ。大会が長年にわたって続いている意義にふれたほか、開催に当たって会場となった大谷地小に感謝の気持ちを述べた。生活科と総合的な学習の時間における様々な公開授業についてきたんのない意見を求めた。

 また、会場校の校長である大宮健一副委員長が大会を通して研究が深まるなど学校にとって大きな財産となったことにふれ「このあとの分科会できたんのない意見やご指導をお願いしたい」と呼びかけた。

 続いて、蝦名悠太研究部長が研究提言。研究主題や副主題のほか、生活科と総合的な学習の時間の研究について説明した。

 このあと、分科会を実施した。

◆6年総合 根拠示し意見もつ

 札幌市生活科・総合的な学習教育連盟の第26回札幌市生活科・総合的な学習教育研究大会では、大谷地小学校の相良有紗教諭が2年生の生活科「大やちのまちのひみつ、はっけん!」、佐藤雄輔教諭が4年生の総合「大谷地オールスターズ」、川岸純教諭が6年生の総合「世界を知ろう JANAICA」を公開。

 うち川岸教諭の授業は35時間扱いの14時間目。目標を「6年1組に取り入れたい外国の小学校の習慣を根拠をもって話し合うことを通して、自分の意見をもつことができる」と設定した。

 総合の研究内容①から、同校の近隣にJICAの施設があるため、単元ではJICA職員のアンケートのほか、本やインターネットなどを通して、児童に外国の小学校の取組(委員会、行事・集会、学習・生活)から自身の学級に取り入れた方がよいと思う取組を調査させた。

 児童は「宿題はたまにしかしない(フィンランド)」「空白の時間割(フィンランド)」「作文の学習(アメリカ)」「学級委員選挙(フランス)」「マラソン大会(タイ)」と、自身が興味・関心をもち、提案する取組をまとめるなど、外国が自分の身近に感じるように取り組んでいる。

 公開授業では、「学級をよりよくする」「できるかできないか」の2点をもとに取り入れたい活動を話し合わせた。

 総合の研究内容②から、「宿題はたまにしかしない」という提案について、「自分のやりたいことをやりたい(家庭学習など)」「自分の苦手な問題をやりたい」などの考えが多かったことから「なぜフィンランドの先生は宿題をたまにしか出していないのか」と問いかけた。その根拠を考えさせることで、自分の意見をもたせるほか、より外国への興味がもてるように取り組んだ。

 また、「子ども目線だから」「自分のやりたいことができる」「学級をよりよくできる」など、取組のよさに関する児童の発言を黒板に掲示。これからの取組に見通しがもてるようにした。

 振り返りでは、「フィンランドの教育をもっと知りたい」「もっとタイを調べたい」と記入するなど、学習を通してより外国への興味・関心を高めた。

 授業後は研究討議。川岸教諭の授業について、「根拠をもつ場面でもっと海外の話ができればよかった」「子どもたちが自分事として思いをもって話をしていた」などの意見が出た。

 札幌市教委教育課程担当課の岩田悟義務教育担当係長は「外国と自分の学校生活を結び付けることで、子どもにとって身近な課題とすることができた」と話していた。

(関係団体 2019-09-09付)

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