日本カウンセリング学会第52回大会 学校に必要な心の支援は 道内初開催 シンポジウムで意見
(関係団体 2019-08-23付)

日本カウンセリング大会・研修会
カウンセリングの専門家約450人が参加した

 日本カウンセリング学会(田上不二夫理事長)は17日から3日間、札幌市内の北海学園大学豊平キャンパスで第52回大会・研修会を開いた。大会テーマは「地域に必要とされるカウンセリングのために」。道内での大会開催は今回が初めて。19日の一般公開シンポジウムでは、道医療大学非常勤講師の石垣則昭氏らがシンポジストを務め、学校に必要な心の支援の在り方について意見を交わした。

 大会テーマは「地域に必要とされるカウンセリングのために」。日本カウンセリング学会会員、カウンセリングの仕事に携わる非会員のほか、今大会から公認心理士の有資格者も加わり、約450人が参加した。道内での大会開催は今回が初めて。

 17日に研修会、18・19日に大会・研修会を開催。初日、日本カウンセリング学会の田上理事長が「対人関係ゲームを用いた学級システムプログラム」と題し、教師と子ども、子ども同士の交流を生み出し、学級システムの発達を促進するプログラムを紹介した。

 大会長を務めた道医療大学の冨家直明教授は、「地域に必要とされるカウンセリング~医療現場の立場から」をテーマに講演。増毛高校で行った遠隔地学校臨床支援事業におけるカウンセリングの実践などを紹介し、ICT活用による遠隔支援、多様な人々との連携など、求められるカウンセリングの在り方を示した。

 招待講演では、跡見学園女子大学心理学部長の野島一彦教授が「公認心理士のこれから」、明治大学心理臨床センター長の諸富祥彦教授が「“打ってでるカウンセリング”と“深めるカウンセリング”~カウンセリングの2つの次元」と題してそれぞれ講演した。

 19日の一般公開シンポジウムでは、冨家教授がコーディネーターを務め、千歳北陽高校の渡邉祐美子校長、中札内村教委コミュニティ・スクール担当の柴山敬次長補佐、石狩教育局の平瀬一弘次長、道医療大非常勤講師の石垣氏がシンポジストとして参加。「学校に必要な心の支援を考える」を演題に意見を交わした。

 渡邉校長は、学校教員に求められるコミュニケーション能力の在り方を示し、大きな問題となっている子どものゲーム依存への対応に向け、関係機関と連携して取り組む必要性を示した。

 柴山次長補佐は、地域と連携したコミュニティ・スクールの多様な実践を紹介。人や社会の役に立ちたいという思いを共有できる地域づくりに向けた思いを語った。

 平瀬次長は、児童生徒や教職員が孤独感を感じることのない学校づくりを呼びかけ、児童生徒への理解とともに、適切なかかわり方を学ぶ重要性を指摘。「知識が人を救うことを、心の専門家である皆さんが伝えてほしい」と述べた。

 石垣氏は、「同僚性」「協同性」の高い職員室の実現を提言。子どもたちがこれからの社会を生きるために必要となる「考える力」を育てるため、これまで以上に基礎・基本や応用に関する学習が重要になるとし、アクティブ・ラーニングの定義や原理を理解した授業づくりを説いた。

(関係団体 2019-08-23付)

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