全国学力・学習状況調査結果を公表―北見市教委　中学校英語「聞く」など全国上回る　各校の授業改善が成果に

（市町村 2019-09-19付）

北見市の本年度全国学力・学習状況調査結果～平均正答率、％（クリックすると拡大表示されます）

　【網走発】北見市教委は、本年度全国学力・学習状況調査の結果を公表した。中学校の国語「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」、数学「資料の活用」、英語「聞くこと」で全国平均を上回った。市教委は結果を受け、教員の指導力向上や、ＩＣＴの活用による「分かる」授業づくりなどに継続的に取り組む方針。

　本年度の調査は、市内の小学６年生８８５人、中学３年生８８１人を対象に実施した。

　小学校は、国語、算数ともに全国平均を下回ったものの、国語の「書くこと」と算数の「図形」では全国との差が少なく、「経年でみれば改善傾向にある」と市教委は分析している。

　中学校は、すべての教科で平均正答率の全国との差が２・０ポイント以内に収まっている。特に、国語の「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」、数学の「資料の活用」、英語の「聞くこと」で全国平均を上回った。

　質問紙調査をみると、小学校の児童生徒質問紙で「授業でＩＣＴを活用したいと思う」と回答した児童が８８・５％と全国より２・０ポイント高い結果となった。市内では、すべての普通教室でＩＣＴ機器の導入が完了しており、市教委では「ＩＣＴ機器を常設して分かる授業を推進したことで、学習意欲の向上につながっているのでは」としている。

　一方、「家で１日当たり１時間以上勉強する」と回答した児童の割合が全国を大きく下回っていることから、「家庭学習の手引きを活用するなどして、習慣化を図っていくことが重要」との課題を示した。

　中学校では、「家で、自分で計画を立てて勉強している」と回答した生徒の割合が全国より高い傾向を示した。

　学校質問紙では、中学校で「英語でスピーチやプレゼンテーションなど、まとまった内容を英語で発表する言語活動を行った」と回答した割合が全国より高く、市教委は「ＡＬＴの活用」「道教委の小学校外国語活動巡回指導教員研修事業」「言語活動の充実」を成果の要因として挙げた。

　今後は、市学力向上推進委員会、道教委の授業改善推進チーム活用事業における推進チーム教員、市教委が連携して授業改善のポイントや課題の焦点化を図り、指導力向上研修会などの機会を通じて還流する方針。

　また、ＩＣＴ活用研修会を開催するなどして、ＩＣＴを活用した「分かる」授業づくりを推進する。

　指導室の秋山康則主幹は「各学校の授業改善によって、子どもたちの学習意欲が高まっている」と分析。「これまでの取組を継続し、学校訪問での指導助言などを通して、思考力・判断力・表現力等の育成につなげたい」と話した。

(市町村 2019-09-19付)