札幌で北日本図書館連盟研究協議会　地域とつながる企画とは　道内開催は平成２３年度以来

（関係団体 2019-10-15付）

鈴木氏は図書館づくりの取組について講演した

　北日本図書館連盟研究協議会兼全道図書館専門研修（企画・広報）が９日から２日間、札幌市中央図書館で開かれた。平成２３年度以来の道内開催で、北海道・東北の図書館等職員ら約８０人が参加。「アイデア＋アクション～みんなの力で図書館は進化する」をテーマに、講演や事例発表を通して地域や関係機関とつながる企画や広報への理解を深めた。

　北日本図書館連盟と道図書館振興協議会、道立図書館が主催。道内の様々な取組事例によって、図書館サービスを充実させ利用を拡大していくための企画と広報を考えることをねらいとしている。

　開会に当たり、北日本図書館連盟の小田島正明理事長（岩手県立図書館長）があいさつ。

　ことし６月に成立した読書バリアフリー法にふれ、「あらゆる対象や世代を意識し、それぞれの求めるところに柔軟に対応していくことが一層求められる」と図書館の責務を強調。「本会を通し、図書館における企画・広報の在り方をあらためて考える一助としてほしい」と期待した。

　続いて、東川町議会議員を務める鈴木哉美氏が「ボランティアと協働する図書館づくり」と題して基調講演。去年７月オープンの図書館機能を有した東川町複合交流施設「せんとぴゅあⅡ」の開館にまつわる取組などを話した。

　鈴木氏は、町内などで読み聞かせボランティアを行っていた経歴などを紹介しつつ、図書館建設検討公募委員に応募した理由を「図書館が嫌いだったから」と告白。「しーんとした雰囲気が苦手だった」と話し、図書館に来ない人が来館する図書館の在り方を考えたと振り返った。

　読み聞かせメンバーを中心に開館を盛り上げようと、任意団体「としょりん」を立ち上げたことを紹介。活動に行き詰まりながら、岡本真の『未来の図書館、はじめませんか？』を読んでまちの総合計画から図書館を考える大切さを学ぶなど、積極的に情報を収集したことを伝えた。

　その後、図書館ボランティアコーディネーターとして町から委託を受け、ボランティア組織を新たに設立。留学生読み聞かせ交流会やボードゲーム大会、スタンプラリーなど、イベントの企画運営を中心に様々な活動を行ったことを紹介した。

　講演のあと、事例発表。芦別市立図書館の藤田伊津子管理係長が「なかそらち図書館ネットワーク～１０の市町の協働事業」、幕別町図書館の民安園美主査が「誰もの“居場所”になる図書館」をテーマに、地域が連携した事業や地方創生の取組などを説明した。

　２日目も引き続き事例発表。滝川市立図書館の深村清美館長が「つながる図書館～住民の“いのち”に寄り添う現場との連携」について、道立図書館の宮本浩企画支援課長が「道立図書館の工夫あれこれ」と題して、関係機関と連携した取組などを紹介した。

(関係団体 2019-10-15付)