青少年健全育成計画　道が最終案　虐待予防・発見へ対策強化　情報モラル指導能力指標も

（道・道教委 2019-10-24付）

　道は、来年度から５ヵ年を計画期間とする第２期道青少年健全育成基本計画素案（最終検討案）をまとめた。発達段階に応じた取組では、児童虐待の予防・早期発見に関する項目を大幅に追加。相談機関のネットワークに関する取組内容などを加えた。主要指標は２９項目に及び、新たに教員の情報モラルの指導能力に関する数値を盛り込んだ。

　道青少年健全育成条例第９条に基づく青少年健全育成のための基本計画。平成２０年度に策定した現行の第１期計画が本年度、最終年度を迎えたことから改訂するもの。８月の第２回道青少年健全育成審議会で示した素案検討案を、委員の意見などを踏まえ修正した。

　最終案では、施策の方向性の明確化、施策検証のための主要指標、施策の推進状況を把握するための参考指標を記載。

　主要指標では新たに、児童虐待予防のため、１歳６ヵ月児健康診査や３歳児健康診査の未受診率に関する目標値を設定。情報化社会への対策では、文部科学省「教育の情報化の実態等に関する調査」において、教員が情報モラルなどを指導する能力を「わりにできる」「ややできる」と回答する教員の割合を令和６年度までに１００％と定めた。

　このほか、第２期道教育推進計画に基づき、全国学力・学習状況調査で「いじめはどんな理由があってもいけないことだと思う」という設問に「当てはまる」と回答する割合、１日当たりの読書時間を「１０分以上」と回答する割合を４年度までに１００％にすることを掲げた。

　発達段階に応じた主な取組に関する記述では、「児童虐待の予防と早期発見」に関する文言を大幅に追加。児童虐待防止のための取組や、相談機関のネットワークに関連する取組内容を加えた。

　ひとり親家庭への支援にかかわっては、市町村が実施する支援事業の内容をより具体的に例示した。

　学童期の「キャリア教育の推進」の項目では、小学校における消費者教育の学習内容とともに、消費者教育に携わる教員の指導力向上のため、指導者養成講座の開催や研修の充実に取り組むこととした。

　このほか、乳幼児期における特別支援教育、人と木、森とのかかわりを主体的に考える「木育」の推進に努めることも示した。

　１０月中に道青少年健全育成審議会から知事に対して計画案を答申。

　１１月下旬にパブリックコメントを実施した上で道議会での議論を経て、年度内に策定する。

(道・道教委 2019-10-24付)