札幌市教委が防災教育の授業公開 地震から身守る行動は 美しが丘緑小2年学級活動(市町村 2019-10-29付)
札幌市教委は24日、本年度第1回目となる札幌市防災教育研究推進事業にかかる授業公開および意見交換会を札幌市立美しが丘緑小学校(北原徹也校長)で開いた。授業公開では、同校の黒河典央教諭が2年生を対象に特別活動の学級活動の時間を活用した授業を展開。地震から身を守るための安全な行動を考えさせた。
事業は、市教委が本年度から新たに取り組んでいるもの。昨年の北海道胆振東部地震発生を踏まえ、学校における防災教育の一層の充実が喫緊の課題ととらえて、ことしから新たに実施している。
研究推進校は美しが丘緑小を含め全5校。この日は第1回目となる公開授業「大きな地しんにそなえよう」を同校2年1組(児童数19人)の担任である黒河典央教諭が指導した。本時の目標には「大きな地震でどのようなことが起こるかを予想し、どのような場所にいたとしても自分の身を守るための安全な行動の仕方を意思決定することができる」と設定した。
黒河教諭は授業冒頭、アニメキャラクターの画を活用して「地震時のまちがいさがし」を実施。キャラクターが地震直後に火を付けて部屋を明るくしている画などを示した上で「何が間違いかな」と質問した。児童は「地震のときに火を付けると火事になる危険性があるから」などと回答。児童に地震が発生した際のイメージをつかめるよう工夫した。
また、市が作成したリーフレット『地しんのそなえ』(小学校1・2年生用)を活用し、地震発生時に学校と家の2つの場所でどのようなことが起こるかを考えさせた。「教室ではどのようなことが起こるか」との問いに、児童は「上から物が落ちてくる可能性がある」と答えた。
「では、どのような行動を行うとよいと思う」と再び尋ねると、児童全員が机の下に入り机の脚を押さえた。地震発生時の身の守り方について実際に避難行動を体験する場を設定することで理解を深めさせた。
授業終盤には地震が発生した際の安全な行動方法を一人ひとりにワークシートを記入させることでどのように行動すればよいか考えさせた。
授業公開後は意見交換会。同校の北原校長が緊急時に迅速・適切に対応できる安全体制の構築として、家庭・地域・学校が共同で子どもの安全を守る取組を図ることができるよう、緊急時の下校体制を保護者にメールを配信することで協力を仰いでいることなどを説明した。
また、教職員の危機管理能力の育成として、①「正常性バイアス」からの脱却②「報告・連絡・相談」の徹底―の2点を重点として取り組んでいることを伝えた。うち、①では深層心理によって非常事態の認識が妨げられる正常性バイアスに打ち勝つため、常に最悪の状態を想定することで教職員の緊急時における判断力を高めていることなどを説明した。
(市町村 2019-10-29付)
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