佐藤教育長が鶴居中の防災学校視察　生徒と避難所運営考える　主体的行動力身に付けよう

（市町村 2019-10-24付）

鶴居村教委・村上教育長（右）、釧路教育局・川端局長（中央）

　【釧路発】鶴居村立鶴居中学校（岩崎等校長）が１８日に同校で行った１日防災学校を、道教委の佐藤嘉大教育長が視察した。鶴居村教委の村上明寛教育長、釧路教育局の川端雄一局長らとともに、２年生１８人が実施した避難所運営ゲーム（ＨＵＧ）に参加。災害発生時、主体的に行動できる力を身に付けるよう期待しながら、生徒と様々な意見を出し合って運営方法を考えた。

　１年生対象の防災宿泊訓練を実施するなど、防災教育に力を入れている同校の取組を視察しようと、佐藤教育長をはじめ、鶴居村の大石正行村長、村上教育長、川端局長、道総務部危機対策課の高見里佳防災教育担当課長、道教委生徒指導・学校安全課の田中賢一課長、釧路総合振興局地域政策課の荻原英之主幹など、１４人が来校した。

　はじめに、同校の名和勝紀教頭が取組の趣旨を説明。講師を務める鶴居消防署の高田勝也署長を紹介した。高田署長は、平成に日本で起きた自然災害を振り返った上で「大きな災害が増えている。鶴居村でも起こり得る」と強調。災害発生時には、消防署員は全員出動し、行政機関職員も様々な対応に追われるため、避難所運営には参加できないことを伝え「生徒の皆さんが運営しなければいけない」と述べた。

　引き続き、ＨＵＧのルールを紹介。真冬に地震が発生して、一帯が停電となり、村内から次々と避難者が学校に集まって来るとの想定のもと「どう運営するか考えてほしい」と求めた。

　５班に分かれた生徒は、視察団やこの日のために来校してくれた保護者、地域住民とともに５～６人のグループでゲームを開始。インフルエンザの疑いがある、視覚障がいがあるなど、様々な事情を抱えた避難者を学校のどこに配置するかを考えた。

　ゲームの中では、たばこを吸いたい避難者への対応や、ごみを捨てる場所なども考えなければならず、佐藤教育長が参加したグループでは「禁煙してもらおうか」「ごみは分別しないと駄目だよな」などと意見を出し合いながら対応を決めていった。

　最後に各グループがどのような考えで、運営を行ったのかを発表。円滑な運営のためには様々な配慮が必要となることを確認した。

　佐藤教育長は「（ＨＵＧを）子どもたちと一緒に活動すると面白い。きょうの経験を忘れず、周りの人を助けられるリーダーに育ってほしい」と述べた。

　村上教育長は「防災に関する経験を蓄積させていくことが大事」とし、今後も学校がこうした経験を積める場となるよう期待した。

(市町村 2019-10-24付)