白糠高と白糠町教委が研究協議会　高校・公営塾等の連携　遠隔システム活用８０人参加

（学校 2019-11-18付）

パネルディスカッションの様子を遠隔地会場に配信

　【釧路発】白糠高校（塙浩伸校長）と白糠町教委は１２日、同校で高校と公営塾等の連携に関する研究協議会を開いた。道教委の地域連携研修の一環。協議会の様子は遠隔システムで道立教育研究所と道内高校７校に配信し、本会場と遠隔地会場を合わせ、中・高校の教職員や市町村の職員ら約８０人が参加した。講演やパネルディスカッションを通して、高校と公営塾の連携の在り方を模索した。

　研修主体校の白糠高を本会場とし、道研、弟子屈高校、利尻高校、夕張高校、平取高校、枝幸高校、常呂高校、興部高校の８会場を遠隔システムで結んだ。高校の管理職、教員、関係市町村の職員などが参加し、本会場に約４０人、遠隔地会場に計約４０人が参加した。

　開会式のあと、北海道大学大学院教育学研究院の篠原岳司准教授が講演。「学校と学校外のネットワーク化と協働の在り方について」と題し、公営塾の存在がきっかけとなって地域に公共性が生まれる可能性を提示した。

　また、白糠高の塙校長と田部慎教諭が道外先進校を視察した成果を説明した。

　このあと、パネルディスカッション。コーディネーターは塙校長、パネラーは白糠町教委の川島眞澄教育長、足寄高の及川巧校長、寿都高の苅屋正人校長、利尻高の阿部穣校長、白糠町公営塾「久遠塾」の上内智英塾長が務めた。

　川島教育長は、平成３０年度から白糠高生対象の久遠塾をスタートさせた経緯を説明。町外の高校に進学する子どもがいることにふれ、「町民の高校存続への思いからできたもの」と述べた。

　上内塾長は、塾を設置している公民館だけでなく、本年度から白糠高の教室を放課後スペースとして利用していることを説明。高校と連携して塾の運営を進めている現状を伝えた。

　及川校長、苅屋校長、阿部校長もそれぞれ、町が公営塾を設置した目的や生徒の通塾状況などを説明。今後の課題や展望にふれた。

　塙校長は、遠隔地会場の出席者にも発言を求め、弟子屈高の宮﨑円校長や平取高の菅原雅之校長、夕張高の信清昭人教頭が地元の公営塾の状況を説明した。

　公営塾の今後の課題について、川島教育長が発言。通塾生が有名大学に合格すれば塾のＰＲになるが、塾の目標を何にすべきかは「まちとして子どもたちをどう育てるのかのビジョンによる」とし、現状を把握した上で目標を打ち出す必要性を強調した。

　このあと、高校分科会、自治体分科会、遠隔分科会に分かれて研究協議を実施。高校と自治体のさらなる連携・協働に向けて意見交換した。

(学校 2019-11-18付)