道教委・佐藤教育長が道研視察　多くの授業パターンを　「未来の教室」活用に期待

（道・道教委 2019-11-20付）

遠隔合同授業のデモンストレーションを見学する佐藤教育長ら

　道教委の佐藤嘉大教育長は１８日、江別市内の道立教育研究所を視察した。次世代の学校の教室を想定して情報処理教育棟に設置した「未来の教室」を見学・体験。所員による遠隔合同授業のデモンストレーションやプログラミング教育を目の当たりにした佐藤教育長は「多くの授業パターンを提案してほしい」と活用を期待した。

　未来の教室は、児童生徒の力を最大限引き出す学びを実現する未来の教育をイメージした学習空間で、各種デモンストレーションと体験が可能。

　これまでＩＣＴショールームの名称で整備を進めていたが（１０月２４日付１面既報）、今回、未来の教室に名称を変更。情報処理教育棟に２教室を設置し、アイヌ語にちなんでそれぞれ「アシリ（新しい）」「ニタイ（森）」の愛称がついている。

　アシリには、授業支援ソフトやアンケートソフト、Ｗｅｂ会議ソフトなどのアプリケーションやメッセージ機能を活用した授業づくりを体験できるＩＣＴ活用ブース、ミーティングテーブルや壁一面のホワイトボードを設置しアクティブ・ラーニングに活用できるミーティングブースを設置。４種類のＯＳをそれぞれ搭載した端末機を用意しており、様々な市町村教委の相談に広く対応することができる。

　ニタイには、プログラミング教材ブースと遠隔システム活用ブースを設置。プログラミング教材や、ＩＣＴ機器を活用した遠隔授業などの体験を通して、実際の授業でどのように生かせるか考えることができる。

　当日は、道教委から佐藤教育長をはじめ、池野敦総務政策局長、山本明敏学校教育局高校配置担当局長、小松智子学校教育局指導担当局長、新免寛啓教育政策課長、髙木順一教育環境支援課長ら１０人が道研を訪問。

　北村善春所長は「まだ整備を始めたばかり。広く意見をいただき、より良いものをつくっていきたい」とした上で、アシリとニタイを案内した。

　所員による遠隔合同授業のデモンストレーションを体験した一行からは、通常の授業と比較した授業進度や、教員の役割分担、事前準備の必要性、適した授業規模などについて質問が挙がった。

　また、ねらいを明らかにした授業デザインの必要性についても意見が交わされた。

　佐藤教育長は「今後の研究で、学級規模や教員のスキルなどに応じた多くの授業パターンを提案してほしい」と活用を期待。

　北村所長は「ここに来て共に使い方のイメージを膨らませ、“これならできる”という実感をもってもらえる場所として活用していきたい」と展望を語った。

　このあと、プログラミング教育に関するプレゼンテーションや実習体験を実施。また、道立学校における遠隔授業集中配信や小・中学校での遠隔授業、働き方改革に関するＩＣＴ活用などについて意見交換した。

(道・道教委 2019-11-20付)