高知市土佐山学舎・竹崎校長講演 自主性引き出す指導を へき地・小規模校教育充実へ 道研が所内アカデミー(道・道教委 2019-11-20付)
外部有識者のほか、所員や教委職員、小・中学校長など約50人が参加
道立教育研究所は7日、同所で所内アカデミー「教育が輝くとき」研修会を開いた。文部科学省による道教委委託「少子化・人口減少社会に対応した活力ある学校教育推進事業」第3回外部有識者会議と同時開催。高知市立義務教育学校土佐山学舎の竹崎優子校長による講演やトークセッションを展開。竹崎校長は指導のポイントとして、「指導目標のレベルを高くして児童生徒の力を引き上げる」「教員は縁の下の力持ちになり、児童生徒自身が自分たちで動いているように思わせる」ことなどを挙げた。
事業は、道教委が文科省の委託を受け、道研を中心としてへき地・小規模校における教職員の指導力向上を図る研修の充実や成果の普及を行うもの。外部有識者会議による助言を受けるほか、関係市町村教委、研究協力校と連携しながら研究を進めている。
研修会は、本道のへき地・小規模校における教育課題についての考えを深めるとともに、道研の「現場第一主義と未来教育の創造」の理念を具現化するために必要な所員の資質・能力の向上を図ることが目的。外部有識者5人と、所員や教委職員、小・中学校長など約50人が参加した。
あいさつに立った北村善春所長は、ことし7月に土佐山学舎を視察し「異次元の教育」に大きな衝撃・感動を受けたことを紹介。日本中で学校の小規模化が進む中、先進的な小規模校の取組を聞くことの意義をあらためて確認した。
続いて、竹崎校長が「義務教育学校土佐山学舎の教育」をテーマに講演。土佐山学舎が義務教育学校となった背景や、特徴的な取組の数々を取り上げた。
小規模校の強みを生かした教育活動やICT環境の整備のほか、9年間を通して展開する独自の教育手法「とさやま“志”メソッド」を特色として紹介。
土佐山に移住してまで入学を希望する保護者もいることにふれた上で、求められる要因として、①英語教育②土佐山学(総合的な学習の時間)―の2点の特徴的な取組を挙げた。
①では、9年間を通じた継続的な英語教育によって英検2級合格を目指していることや、外国人とのやり取りの機会を多く取り入れていることを紹介。「指導目標のレベルを高くして児童生徒の力を引き上げる」「既習事項にとらわれず、どんどん新出英語に出会わせる」などの指導ポイントを示した。
②では、名産品や名所の知名度アップを目指した祭の企画やグッズの商品化・販売、観光ツアーの企画などを通して地域をPRする児童生徒主体の取組の数々を紹介。「児童生徒はすべて自分たちでやっていると思っているが、ゴールまでの道筋を考えるのは教員。縁の下の力持ちになって、児童生徒自身が自分たちで動いているように思わせる」と児童生徒を本気にさせるためのポイントを示した。
このあと、竹崎校長と北村所長がトークセッション。へき地・小規模校の教育の充実や、教職員の資質・能力の向上について意見を交わした。小規模校の取組の大規模校への応用や、9年間の学びに向けた授業づくりやビジョンを共有する場を設けることの重要性なども話題に挙がった。
(道・道教委 2019-11-20付)
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