北数教小学校部会札幌支部が大会　実感し育む問う力　公開授業　山鼻小５年「割合」

（関係団体 2019-12-03付）

　道算数数学教育会（＝北数教）小学校部会札幌支部（木村まどか支部長）は１１月２９日、札幌市内の小学校６校を会場に第５１回研究大会を開いた。市立山鼻小学校では花田俊太教諭が５年生「割合」の授業を公開。値引きの仕方が違う２つの店からどちらの弁当が得か、割合について考えさせる授業を展開するなど、算数教育の充実に向けて研鑚を積んだ。

　札幌支部は、研究の重点に「“数学的に問う力”を育む　子どもが“問い”をもつ授業の創造」と設定。授業づくりの観点として、①“数学的に問う”ことから、“問い”をもつ②“数学的に問う力”を発揮し合い、本時のねらいに迫る―の２点を据え、研究を進めている。

　５年生の会場となった山鼻小では花田教諭が「割合（札幌市教委のにーごーカリキュラム）」を指導。授業は１２時間扱いの１１時間目で、本時の目標を「日常の問題を解決するために、２割引と何円引きのどちらが得かを比べることを通して、割合を用いて考えることができる」と設定した。

　花田教諭は、弁当屋の特売日では「西町店はすべての弁当が２割引」「東町店は３４０円以上の弁当がすべて３４０円」と紹介。観点①から、２００円や３００円、４００円、５００円の弁当のどれを買うか決定させた上で、東と西のお店どちらが得か問いかけた。

　「弁当それぞれの値段が分からないから決められない」「値段が分かれば決められる」と児童の声が上がるなど、値段によってどちらが得かが違うという意識をもたせた上で、それぞれの選んだ弁当の値段を計算させた。

　全体交流では、それぞれが選んだ弁当についてどちらの店が得か確認するため、式や数直線などを根拠に発表させるなど、値段によってどちらが得かが変わることを実感させた。

　また、観点②から、値段の境目に目を向けさせるため、それぞれの弁当の値段を縦に並べて板書。４００円と５００円で得になる店が入れ替わっていることから、４５０円ではどちらが得かを計算させた。計算に当たっては、試行錯誤し、追究を続けられるよう電卓を活用させるなど、工夫を凝らした。

　授業後は分科会。花田教諭の授業について「スライドを使って問題を理解させるのがスムーズで、子どもたちは追究を進めていた」という意見が出ていた。

(関係団体 2019-12-03付)