積丹町へき地複式教育研究大会 遠隔授業を初公開 4年道徳 3校5児童対象に
(関係団体 2019-11-29付)

積丹へき地複式遠隔授業
他校の児童の様子、発言が分かる授業の状況。写真は余別小

 【小樽発】積丹町へき地・複式教育連盟等主催の積丹町へき地複式教育研究大会が21日、積丹町立日司小学校(山田正校長)・野塚小学校(横山政彦校長)・余別小学校(代永研校長)で開かれた。約40人が参加。初の試みとして3校をICT遠隔システムでつなぐ道徳科の授業を公開した。

水野さんと同館司書が人気絵本を読み聞かせした

生徒ら120人が自校の今とこれからを話し合った

 研究主題は「へき地・複式・小規模校の特性を生かし、児童一人ひとりをのばす学校・学級経営と学習指導の充実を目指して」。積丹町小規模校活性化推進事業とタイアップし、ICTを活用した道徳科の遠隔授業を中心とした、小規模校における対話的な学びの効果的な実践について研究してきた。

 3校遠隔合同授業の公開は初めての試み。日司小の藤原千夏教諭が4年生の道徳科「わかり合うために」を日司小の児童1人、余別小3人、野塚小1人に指導した。

 本時では、広がり、深まりのある人間関係を築くために、自分の考えや意見を伝えて相互理解を図ることや、自分とは異なる意見や立場も謙虚で広い心をもって受け止め、相手を理解しようとする実践意欲と態度を育てることをねらった。

 授業は、インターネット回線に接続したタブレット端末とモニターを活用し展開。

 藤原教諭は「考えを伝えて分かってもらえたこと、分かってもらえなかったことはあるか」について3校の児童へ事前にアンケート調査した結果を紹介したあと、教材「分かってくれてありがとう」を読み聞かせた。

 教材は主人公のクラスの「思いで作ろう会」の話し合い活動において、運動をすることに決まりそうになったとき、骨折していた友達が来週から登校することを思い出し、もう少し考えたほうがよいと提案。反対意見があったものの、会の内容を考え直すようになった話。

 登場人物や話の流れを全員で確認したあと、藤原教諭は「この話のよいところはどこか」と発問。児童は「主人公が足をけがしている人のことを考えたところ」「学級のみんなが意見を聞いてくれたところ」などと発表し、聞いていた児童は「いいと思います」「ほかに意見はありますか」などと話しながら交流を深めた。

 藤原教諭は「最初に決めたことを変えるのは嫌ではないか」「題名の“分かってくれてありがとう”は誰に対してか」「互いに分かり合うために大切なことは何か」と聞きながら、それぞれの考えを掘り下げた。

 児童は「ほかの人のことを考えて、意見をはっきり言う」「他人の意見を聞くことが大切」「なぜ違う考えをもったのか理由を聞くべき」などと意見を交わした。

 最後に、本時の学習の振り返りをノートに記入し、各児童が発表。藤原教諭は「大人でも分かり合うことは難しいので、いろいろと話し合うことが必要。今度は4年生同士で話し合いをしてみよう」とまとめた。

 対話のタイムラグや通信障害はほとんどなく、授業後の研究協議も遠隔通信で行った。

(関係団体 2019-11-29付)

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