第48回道性教育研究十勝・帯広大会 性教育は生き方教育 葛西会長 各教科と関連意識を
(関係団体 2019-11-28付)

道性研全道研究大会開会式
全道各地から177人が参加した

 【帯広発】道性教育研究会(葛西孝之会長)は22日、幕別町百年記念ホールなどで第48回道性教育研究大会十勝・帯広大会を開いた。研究主題「“生きる力”を育む性教育を目指して~豊かな人間性を培う性教育を目指して」のもと、公開授業や授業分科会、講演会を実施。全道各地から177人が集い、「いつでも、だれでもできる性教育」を目指して研修を深めた。開会式で葛西会長は「性教育は人間教育であり、生き方教育」と述べ、各教科との関連を意識しながら、実践方法を探究するよう求めた。

 実行委員会、十勝管内学校保健協議会、帯広市教育研究会が主管。

 町内小・中学校での授業公開、授業分科会のあとに開かれた開会式では、葛西会長があいさつ。

 「性教育は人間教育であり、生き方教育である」と指摘。インターネット普及による児童生徒の性的被害など社会の変容にふれ、「性教育の意義を認識し、学校全体で各教科との関連を意識しながら、実践方法を探究し続けなければならない」と訴えた。

 続いて、宮村孝雄大会実行委員長が登壇。「望ましい性教育の取組が全道に還流されることを願う」と述べた。

 十勝教育局の大橋則之局長と幕別町教委の菅野勇次教育長が来賓祝辞。うち、大橋局長は「得られた成果を還流してほしい」と述べ、大会の成果に期待した。

 開会式のあと、公立小学校非常勤講師の鈴木茂義氏が「性的マイノリティのこどもたち~学校や地域でできること」、助産師の中山由香里氏が「生と性~命の大切さ」と題しそれぞれ講演。

 参加者は、性的マイノリティーの子どもたちへの支援の在り方について理解を深めたほか、子どもたちに“性”と“生”の知識を正しく伝え、命の大切さを感じさせることの重要性を学んだ。

◆意欲大切に物事を実現 幕別町白人小「大人に近づく体」

 第48回道性教育研究大会十勝・帯広大会では、幕別町立白人小学校4年1組の保健体育「大人に近づく体」(藤本哲也教諭、佐藤京美養護教諭、吉田明子教諭、小武海博一教諭)と、幕別町立札内東中学校3年B組の学級活動「性の多様性」(川口航揮教諭)を公開した。このうち、白人小では、児童29人を対象にチーム・ティーチング(TT)による授業を展開。一人ひとりの「やってみたい」「知りたい」などの意欲を大切にし、力を合わせて物事を実現しようとする児童の育成を目指した。

 本時は4時間扱いの2時間目。単元の目標を「体の発育・発達に関心をもち、学習活動に意欲的に取り組もうとすることができるようにする」「体の発育・発達について、課題の解決を目指して、知識を活用した学習活動によって、実践的に考え判断し、それらを表すことができるようにする」「体の発育・発達、思春期の体の変化、よりよく発育・発達させるための生活について、課題の解決に役立つ基礎的な事項を理解することができるようにする」と設定した。

 藤本教諭と佐藤養護教諭がTTで指導したほか、吉田教諭と小武海教諭が、特別な配慮が必要な児童を支援した。

 藤本教諭は、はじめに課題「大人に近づく体について知ろう!」を提示。児童一人を代表にして、体つき、ひげ、喉ぼとけなど、藤本教諭との体の違いを比較した。

 体の変化に対して自分事・友達事としてとらえさせ、藤本教諭は「大人への体の変化が起こる時期を思春期と呼ぶ」と説明した。

 続いて、佐藤養護教諭がICT機器で思春期に起こる体の変化を説明したあと、藤本教諭が「体の変化が起こる時期などは一人ひとり違う」と提示。

 教科書にある4つの体の変化にかかわる体験談を読ませたあと、佐藤養護教諭が声変わりなど第二次性徴における男子と女子の体の変化を詳しく解説。藤本教諭は、第二次性徴の始まりと終わりの時期や変化のスピードが違うことを意識付けた。

 グループワークに移り、友達から体の変化について相談を受けたときにどう答えるかをテーマに交流。体の変化に対して、かけたい言葉を考え、自分事・友達事として体の変化について考えを深めた。

 まとめとして、自分や友達が考えた言葉の中からよいと思った言葉をクラス全体で発表。不安や悩みを肯定的にとらえられるよう促した。

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道性研全道研究大会あいさつ
葛西会長は実践方法の探究を求めた

(関係団体 2019-11-28付)

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