地域コンソーシアム第１回会議　企業と協力し取組を　主体的な知財創造教育へ

（関係団体 2019-11-27付）

幼・小・中・高の連携を訴える声も上がった

　内閣府と連携し、本道の知財創造教育に関する事業を進める地域コンソーシアムの本年度第１回会議が２５日、ＴＫＰ札幌駅カンファレンスセンターで開かれた。「教員が“知財創造教育”に主体的に取り組むための環境整備」を議題に協議。委員からは、多忙な教員の職務内容を懸念し、地域の企業の協力や、幼・小・中・高の連携を図りながら取組を進める必要性を訴える声などが上がった。

　地域コンソーシアムでは一昨年度と前年度、知財創造教育の実状調査・教育現場における教育プログラム実証などに加え、コンソーシアムが地域で自立的に活動を続けていくための課題について検討してきた。

　一方、内閣府では、前年度全国８地域に設置された地域コンソーシアム活動の結果を踏まえ、知財創造教育の体系化の推進、教育現場に知財創造教育を浸透させていくための取組の強化を図るとともに、地域コンソーシアムに対する支援の在り方などを検討。北海道地域においても過年度の活動結果を踏まえ、教育プログラムのさらなる実証や、地域コンソーシアムが地域で自立的に展開するための具体策などについて検討している。

　本年度１回目の会議には、委員９人に加え、オブザーバーとして内閣府知的財産戦略推進事務局の中内大介参事官補佐が出席した。

　開会に当たり、事務局を務める道発明協会の小砂憲一会長があいさつ。国内において、ものづくりに関する職業が年々衰退している現状にふれ、経済団体等と連携し、知財教育を地元に根付かせていく必要性を指摘。その上で「教育現場における子どもたちの未来に対する思いを“知財”を通じて創り上げていきたい」と今後の展望を語った。

　続いて、中内参事官補佐が内閣府における知財創造教育の取組状況について報告した。

　議事に移り、「教員が“知財創造教育”に主体的に取り組むための環境整備」を議題に協議。委員から「多忙な教員が一から新たな取組を進めるのは厳しい。地域の企業の協力、幼・小・中・高の連携を図りながら取組を進めることが必要」「知財創造教育に関する副読本を作成するなど、国において自由な裁量で教育に取り入れられる体制をつくってほしい」などの意見が挙がった。

　このほか、「秀でた尖った人材の育成の取組、活動の場」と題して議論したほか、教育プログラム実証計画について、本年度は札幌市内の中学校１校で実施する予定であることを確認した。

(関係団体 2019-11-27付)