札幌市中学校長会が全体研修会　学びの過程適切に評価　研究部など７部が発表

（関係団体 2019-11-25付）

中高接続充実などの必要性が示された

　札幌市中学校長会（橋本敏昭会長）は２０日、ホテルライフォート札幌で全体研修会を開いた。研究部や指導部など７部が研究発表。研究部は、校長対象のアンケート結果をもとに、教育課程編成について、各校で学びの過程を適切に評価していることなどを報告した。

　同会は研究基本主題を「新たな未来を紡ぎ、よりよい社会を創る力を育む札幌市中学校教育」と設定。３ヵ年継続研究の１年目となっている。

　開会式では橋本会長があいさつ。これまでの研究大会の参加など研修の充実を図ってきたことにふれたほか、今回の研修会について「最大の学び合いの機会。各部会で研究・検討してきた内容を、研究成果として発表し、交流すること、さらに、その発表に指導助言いただけることの意義は大変大きなもの」と話した。

　来賓あいさつでは、札幌市教委の相沢克明学校教育部長が登壇。「各部の研究発表は、一人ひとりの校長の深い学びの切り込み口になる」と話すなど、研修の成果に期待を寄せた。

　研究部や指導部、保健体育部、進路指導部、特別支援教育部、管理部、施設部の７部の担当者が研究発表した。

　このうち、研究部では、新琴似北中学校の前野繁樹校長と栄中学校の西川英志校長が課題「新たな未来を紡ぎ、よりよい社会を創る力を育む教育課程」について研究内容を発表。確かな学びを培う教育課程と豊かな心を育む教育課程の編成に当たっての取組などについて各校の校長にアンケートを実施したこと伝え、「校種間接続を意識した豊かな心を育む教育課程の観点から、“特別な教科　道徳”を学んできた生徒に対して、重要な項目は」という質問に対して、指導の系統性と答えた割合が５０％、課題探究的な学習と答えた割合が２７％だったことを紹介した。

　すべてのアンケートから新たな教育課程の編成について、各校において学びの過程を適切に評価するほか、校種間接続に取り組むなど、一定程度の取組や工夫を図っていることを紹介。今後の課題については中高接続に向けた意識の醸成のほか、小学校の授業を踏まえた「考え、議論する道徳」への授業改善などを挙げた。

　また、「課題探究的な学習と評価」「評価、評定の在り方」「小中一貫教育」「中高の接続」の充実に向けて検証が必要なことを示した。

　このあと、グループワークを実施。研究発表の内容をもとに意見を交換した。

(関係団体 2019-11-25付)